YM house/解体後の取合い確認

解体後の現場確認です。既存の設計図を基に設計を進めていますが、マンションの建築中に配管ルートやスラブ(コンクリートの床)の段差などが変更されることが往々にしてあります。それらの変更は建物の竣工図に反映されていない場合が結構ありますので、竣工図と現場を照らし合わせながら入念に現場の確認をします。既存の状況によってはデザイン・設計の変更をすることもあります。

LDKの様子。基本的に壁・天井ボードは既存のままとし仕上げのみの変更です。床はすべて撤去し、床暖房専用のフローリングが張られます。右手はキッチンスペースで代官山にあるキッチンメーカーのクチーナで製作する計画です。

キッチン工事でダイニング側とキッチン側にそれぞれ面して背合わせでカップボードを製作するのですが、既存残しの天井部分との取り合いがあり、一隆建築の太田さんにレーザー墨出器で確認してもらいました。

もう少し解体範囲を調整する必要がありそうです。キッチン工事の方ではキャビネットの高さの調整をすることになりました。リノベーション工事ですと既存との取り合いがありますので、キッチン製作発注前に解体確認後の内容を最終承認図へ反映していきます。

もともとリビングに面していた和室はすべて撤去し、ストレージと書斎に変更します。写真でもわかるように床の段差が結構ありますね。タイルなど仕上げよっては仕上がりに影響がでますので、セルフレベリング剤で平滑にします。セルフレベリング剤は、流し込むだけで均一なレベルを形成する性質(自己水平性)をもつ素材ですが、20mm以上の厚みを必要とする場合はモルタルを用いコテで平滑にします。

北側の寝室の様子。正面の梁型の部分が撤去されていますが、ここには間接照明を仕込んだ天井を新たに作ります。天井に光源を向けて設置するので、天井全体がほんのり明るくなります。就寝時に光源が直接目に入らないようしています。

エントランスホール。右手が玄関で、左手が今回新たに計画したストレージです。エントランスの折上げ天井は、お施主様が気に入っておられたので既存を活かした設計をしています。

今回は一部を除いて天井を解体しない計画ですので、換気設備は交換しますが、その先のダクト管や給水給湯の既存配管は利用できる部分は再利用としています。