RIFF house/第64回神奈川建築コンクール 優秀賞受賞

第64回 神奈川建築コンクールにおきまして、”RIFF house” が住宅部門の優秀賞を受賞いたしました。
プロジェクトに関わっていただいたみなさまのおかげで、このような賞を受賞できたことに感謝を申し上げます。

コロナ禍の影響により3年ぶりに開催された神奈川建築コンクールで、受賞をできたことは大変光栄であります。

ちょうど現地審査の予定時期にコロナ禍の第7波が押し寄せたため、審査員の方々の現地視察が中止となってしまい、ライブ配信によるオンラインでの現地審査となったのですが、その時にはこの空間性を体感していただけなくてとても残念に思っていたものです。

ですが、オンラインでのプレゼンテーション後、質疑応答で審査員の方が「この住宅は書類審査から現地で体感したいと思っていたので、今回伺えなくて残念でした」と言ってくださり、そのような感想をいただいたことに背中を押していただけた気持ちになりました。

公表されている審査総評のうち、”RIFF house” の講評を以下に転載させていただきます。
「鉄筋コンクリート構造の魅力を階段やベンチ・テーブルといった部分にも展開し、その素材感や力強さを空間の魅力として表現している点が評価された。」

このプロジェクトは、共同設計者でもあり施主でもある構造設計者、設備設計者とともに、意匠・構造・設備・ランドスケープの設計者たちが、フラットな関係で空間性を議論し、協働関係の中であらゆる目線からアプローチをした試みでした。そういった建築がこの度評価をいただいたことに、大変感慨深く嬉しく思っています。

神奈川建築コンクールの概要はこちらからどうぞ → 神奈川建築コンクール 令和4年度入賞作品(第64回)

POPO house/衛生器具の選定と空間の印象を左右するタイルの選定

衛生器具の選定は、どのプロジェクトにおいても必ずお施主様をご案内して確認して頂きます。洗面ボウルや手洗器ひとつとっても、アンダーカウンター(カウンター下部設置タイプ)、オーバーカウンター(カウンター上設置タイプ)、ベッセル・ハーフベッセル(カウンター上置き型タイプ)など様々な形式があります。さらには角型でスタイリッシュモダンなタイプや、装飾が施されたクラシカルなタイプなど空間のデザインを決める上でも重要なアイテムの一つです。

POPO houseはリビング・ダイニングからキッチン、更には洗面室から浴室へと繋がる回遊性のある動線計画ですので、選定する機器も空間のデザインと合わせた機器の選定が重要となります。

まずはいつも機器選びで必ず訪れる乃木坂にあるセラトレーディングにてお打合せをしました。

上記はベッセルタイプ(カウンター上置き型タイプ)の洗面ボウルです。スイス製のLAUFEN(ラウフェン)というブランドでエッジがとてもシャープでスタイリッシュデザインですね。

上記の洗面ボウルもLAUFENのものです。一通りショールーム見て廻りまして、お施主様が気に入られた機器はLAUFENの機器でしたが、デザインの方向性としてシンプルな角型のベッセルタイプ(カウンター上置き型タイプ)かつ壁出しの水栓にするため、洗面ボウルや手洗器にはデッキ無し(水栓金物を設置する台座が無いもの)を探すことになりました。

別の日に南麻布にあるT-form(ティーフォルム)のショールームでの打合せです。T-formは衛生機器や建具のレバーハンドル・金物等のハードウェアを幅広く扱っています。先日セラトレーディングで見て頂いたLAUFENの機器も取り扱いがあるので再度確認です。

壁出しタイプの水栓機器もバリエーションが沢山ありました。上記の写真はイタリアミラノにあるFANTINI(ファンティーニ)社の水栓です。イタリアではトップブランドの水栓ブランドです。吐水口の形状などとてもシンプルでカッコ良いですね。

洗面ボウルと水栓機器を合わせてみました。洗面ボウルはLAUFENでと考えておりましたが、ショールームに展示があったCATALANO(カタラーノ)社の洗面ボウルで、幅75cm、奥行50cmととてもゆとりのある洗面ボウルに出会えました。CATALANOもイタリア製でシャープなデザインが特徴のブランドです。

こちらはトイレに採用するLAUFENの角型の手洗器。

POPO houseにはトイレが2つあるのでゲスト用のトイレに採用予定です。昨今のコロナ事情で、手を洗う際にゲストを洗面室には通さず、トイレで手を洗う運用にするために大きめな手洗器を設置するのは今後のライフスタイルの在り方としてとても重要です。

POPO houseと同時進行中の新築戸建住宅プロジェクト【RIFF house】のキッチンをコンクリートでデザインしているので参考にさせて頂きました。

続いてその足で、キッチン・洗面室の床材を見るために赤坂にあるリビエラへ。タイルや石などの建材を多く取り扱っています。

今までのお打合せで決定したフローリングやキッチン・洗面室で採用したカウンター材などのサンプルを持ち込み色や柄を合わせています。

リビエラの西井さんにタイルのメンテナンス方法や、実際に汚れを付着させてのお掃除方法など実演して頂きました。タイルのサイズも様々で20cm角や30cm角などのサイズが一般的ですが、その分目地(タイル同士の隙間)が多くなります。目地が多いということはその部分が汚れやすいとうデメリットもあります。モザイクタイルのような小さなタイルを採用することありますし、レンガ積みのようにタイルを互い違いに張るなど方法も様々です。目地割については空間デザインを左右する大変重要なものですので、お施主様が持っている空間イメージやライフスタイルに合ったデザイン、ご要望に合った大きさや柄などをご提案しています。

POPO houseは愛犬のポポちゃんと生活しているので、メンテナンス性を優先してできるだけ目地を少なくするために写真真ん中の120cm×60cmと大きめなタイルを採用しました。色や柄も赤系のフローリングとも合うライトベージュを選択しました。とても上品な色合いですね。

POPO house/オーダーキッチン打合せ@モービリティーポ

今回はキッチンのお話しです。

デザイン提案時のキッチンプランをベースに打合せを進めます。家事動線に回遊性を持たせ、一筆書きのような連続したプランを提案させて頂いたところ、大変興味を持って頂きました。

日常時では建具を開放することによって空間一体となる連続した空間で、また完全引込み戸によって個室空間にもなるフレキシブルなプランニングです。

上記写真はリビングからのキッチンイメージ。

デザイン提案時の模型写真です。まだ具体的な素材は確定しておらず、お施主様へのヒヤリング後に製作した模型です。壁面側とペニンシュラ(半島形式)の2列配置のキッチンです。アイランド型(島形式)やペニンシュラ型(半島形式)のキッチンは、リビング・ダイニングと一体とした広がりのある空間を成立させる場合にはとても有効なキッチン形式です。

キッチンから洗面室・浴室へと連続する通路。シーンによって引込戸で空間を仕切ることができます。建具枠が壁と一体化しているので建具の存在を消しています。

上記の写真は、弊社に設計のご連絡を頂く前に、実際にお施主様がキッチンショールームで見て頂いた写真です。木の面材と大理石のカウンタートップの組合せがとても気に入られており、このような組合せでキッチンデザインを進めます。

ご要望をヒヤリングした後のキッチンデザイン。平面図ではわかりにくい、素材のバランス・色見、収納の扉や引出しのデザインを、縦方向の図面を(展開図)描いてイメージの擦り合わせをします。平面図と展開図を合わせてみると、奥行き感や縦方向の収納量などがわかります。

上記の絵は、平面的な図面を描いた後に立体的なスケッチを描きました。空間全体においてキッチンがどう見えるか、素材同士の違和感が無いか、またバランスはどうかなど、総合的に検討します。模型では伝わらいない局所的な部分をイメージ化します。

お施主様が気に入られていた大理石カウンターと木の面材とを組み合わせたキッチンのイメージパース。当初のデザイン提案模型とは少し変わってきました。お打合せを重ね、徐々に素材が決まっていくと空間全体のデザインがより具体化します。

上記写真は、オーダーキッチンのショールームで、使い勝手やカウンターの高さ、収納量、素材やキッチン照明など綿密に打合せを進めます。POPO houseで協力頂くのはモービリティーポの徳永さん。いつも的確に助言を頂きとても安心です。

モービリティーポのショールームにあった家具の天板に、POPO houseで採用予定の大理石がありました。この天然石はエンペラドールダークというスペイン南東部産の大理石です。主にホテルや美術館などのエントランスやロビーの床材や壁材に使われる大理石で、とてもキメ細かい茶褐色の中にゴールドやホワイトが蜘蛛の巣のスジのように張り巡らされた表情豊かで奥行き感のある大変綺麗な大理石です。

しかし、本来大理石は炭酸カルシウムが主成分なので水廻りには適していない素材です。長時間水にさらすと白く粉を吹いたような状態になってしまいます。水廻りに採用する場合は、上記写真のような半艶仕上(水磨き)ではなく、鏡面仕上げ(本磨き)をしたものを採用します。POPO houseでは、ペニンシュラ側にシンクがあるのでカウンタートップへのエンペラドールダークの採用は避け、別の素材を探すことにしました。

コンロ側のカウンターはエンペラドールダークを採用します。ペニンシュラ側にも一部エンペラドールダークを使ったデザインにしたいので要検討です。デザインの見直しをしつつ、後日、実物の確認に関ケ原石材ツアーを予定しています。

KAI house/relife+ premium No.2 掲載

9月14日発売の雑誌「relife+ premium No.2」に “KAI house“を掲載していただきました。
リノベーション専門誌『リライフプラス』の年に一度のプレミアム版です 。
巻頭特集「暮らしを、人生を豊かにするプレミアムリノベ」 Interior Mania に紹介していただいております。
15のリノベ事例が掲載されており、インドアグリーンの紹介もあったりで見どころ満載な号です。

詳細はこちらからもどうぞ → amazon.co.jp/dp/4594618618
本屋さんで見かけたらお手に取ってご覧になってみてください。

ERA house/RIVIERA 事例掲載

イタリア・スペインのデザインタイルを輸入販売しているRIVIERAリビエラ事例掲載ページ“ERA house” を掲載いただきました。

ERA houseは、ビンテージ・クラシック感の出ている既存の素材を活かした戸建リノベーションです。新規キッチンやペニンシュラカウンター、キャビネット収納などはブラウンシルバーのメタリック塗装やオーク材を染色した突板仕上げとし、ビンテージな空間とモダンなデザインとのバランスをとっています。ゴールドの入ったキッチン壁面のセラミックタイルや、枠や床の見切り材などの金物に真鍮を使い、ゴールドをアクセントにしつつ、もともとの場が持つスケール感を静かで落ち着きのある空間にしています。

今回はペニンシュラキッチンの壁面に、金属の鈍い光沢とエイジングした風合いが混ざるRIVIERAのイタリア製タイル LEMMY パンプキンを採用させていただきました。

事例紹介のページはこちらになります。
「ゴールドのアクセントが光るダイニングキッチン」
https://riviera.jp/works/20220425001.html

どうぞご覧になってみてください。