RIFF house/配筋検査-5_RF床

2階壁に続きRF床の配筋の模様です。2階壁からRF床まで一度に打設します。

RF床の様子。左側のボリュームは3階の塔屋です。この塔屋の役割はルーフバルコニーへ出るための階段室と東側からの光を取り込む大開口のハイサイドライトです。東側からの光を階段室に取込み下階へ落とします。階段はコンクリートの片持ち階段であり、段と段に隙間を設けているので光と影が下階に落ちます。

南側寝室は下階に柱や壁が無く、部屋丸ごと跳ねだしたボリュームです。屋根部の隅部には様々な力が作用するので配筋を密に配しています。

全景。右下は階段室。ここから光を取り入れます。

北側右上の穴が、1階のダイニング・キッチン、2階の浴室・洗面室に光を取り込むためのヴォイド(光井戸)です。

上下階のスリット。内部空間も床スラブに段差をつけて光を呼び込みます。

この建物はコンクリート造で外断熱仕様で内部はコンクリート打放し仕上げです。サンプルは外部の左官材の色の検討です。コンクリートに近いグレー色は少し冷たい印象になるので、すこしブラウンが入ったグレーベージュ系の色で進めることになりました。

RIFF house/配筋検査-4_2階壁

型枠・配筋も中盤です。1階から2階の床までのコンクリート打設が複雑でとても緊張しましたが、いよいよ2階の壁の配筋です。3階床もまだまだ段差があり複雑なのですが。。

2階の壁もとても綺麗に配筋されております。以前ブログでも書いたように密に配筋されている箇所は壁一体の変形柱です。

2階床の模様。前回ブログでも書きましたが床レベルが複雑ですね。右側床の足場があるところは上下を繋ぐ階段エリアで、左側のエリアがお子様のお部屋です。宙に浮いているコンクリートはデスクになります。

上記の写真は建物の一番奥の浴室からの風景です。浴室左側はヴォイド(吹抜)で屋上から1階のダイニングに光を導く光井戸になっています。外周はコンクリート囲われており近隣の環境を閉ざしながら、2階浴室・洗面から1階まで光がゆき届きます。

先日打設したコンクリートの型枠が外されています。緊張感のあるツルっとしたコンクリート打放ではなく、程よくラワン合板型枠の木地が出ていますね。光の移ろいがやわらかく陰影をつくりだしてくれると思います。

上記2枚の写真は、先ほどの子供室から少し上にスキップした主寝室です。南側に設けた大開口の窓から各空間に光を呼び込みます。

打設後の1階の様子。奥がキッチン・ダイニングです。北側奥の ヴォイド(吹抜) 部分はまだ仮床型枠があるので暗いですが型枠が外れるとほんのり明るい空間になります。 南側や西側の光に比べて劇的な光ではありませんが、北側の光は安定しているので 静かで柔らかい光に包まれると思います。

先日の打設後に姿を現したコンクリートの片持ち階段。まだ底面の型枠を外すことはできませんが、段の隙間から光が下階に落ちます。光と影の陰影が美しい空間になります。

前回のブログにも書いた廊下の鉄骨ささらプレートです。一体打込みなので鉄骨プレートを支持するボルトが出てきていません。

北側のヴォイド(吹抜)の様子。既存擁壁ギリギリに攻めています。吹抜部にはランドスケープのスタジオテラさん設計の樹木が植えられます。下草と高木が上部からの光を浴びてキラキラとダイニングを彩ると思います。

コンクリート打放仕上の様子。うっすらとラワン合板の木目や木の肌が出ています。緊張感のあるスベッとしたコンクリート打放し仕上げよりは、手触りも優しくとてもラフな印象です。あえて木目や打設時によるズレ・窪みはそのまま残します。

俯瞰した建物の様子。だんだん姿が見えてきました。楽しみです。

RIFF house/コンクリート打設-2_1階壁-2階床

本日は2回目のコンクリート打設です。1階壁と2階の床までの打設です。1階床からはじまり3Fの屋根まで合計4回コンクリートを打設します。

コンクリートの流し込みの準備完了です。コンクリートが基準値に満たしているかの受入れ検査を待っています。

各検査の状況です。今回も問題はなく基準値を満たしていましたので圧縮検査サンプルを作成し、いよいよ打設になります。

この建物の構成はスキップフロアの内部空間で、かつ所々躯体同士が切り離されています。それは内部空間に広がりを持たせるのと、できる限り光を内部空間へ導かせる為です。配筋や型枠の施工にはとても苦労させてしまいましたが、とても丁寧に施工して頂きました。

上記の写真は、2階軒天と1階の壁のスリットの様子です。頭ひとつ分のスリットによって軒天井と壁が切り離されています。スリットの高さは230mm程度でのちにガラスが入ります。壁にコンクリートを流し込む作業ですがギリギリの寸法です。ポンプでコンクリートを流し込み、振動棒(バイブレーター)を差し込み、型枠を木槌で叩きながら空隙の無いコンクリートを打設します。

奥がスリット窓の部分で、手前の職人さんの居る部分はコンクリート持ち出しのカウンター兼ベンチです。このカウンターは手前奥のダイニングまで続いており、ダイニングのベンチも兼ねております。今回の計画はできる限り造作家具を作らずに、コンクリート一体型の家具をデザインしております。構造家・設備家の自邸ということもあり、できる限り意匠的な装飾は廃し、物資本来の表情そのままを仕上としています。コストダウンには繋がりますが、コンクリート打放仕上ですのでミリ単位のシビアな施工が求められます。

外壁側からも木槌で叩きます。打設時はひたすら叩きます。

片持ち階段の打設の様子。片持ち階段も一緒に打設します。先ほどのベンチやこの片持ち階段の場合は、とにかくコンクリートの充填がしにくい部分なので入念に振動を加えながらひたすら木槌で叩きます。

階段の踏み面に穴をあけて、写真のようにコンクリートが溢れ出してきたら、 型枠の中にコンクリートが充填された合図です。

2階床の型枠の様子です。今回は2階の床まで打設します。スキップフロアの床のレベル差が複雑なのが良くわかります。ここでも床の躯体が切り離されており、のちにガラスが入ります。居室にあたる部分ですが空間を完全に仕切るのではなく、 スリットによって光を導き空間が繋がるようにデザイン・設計しています。

本日最後の2階床の打設風景。基礎の打設と同様にレベル差の違う基壇が沢山あります。通路であったり、はたまたデスクであったりと中々全貌が見えませんね。。

階段はコンクリートの片持ち階段と鉄骨階段を採用しています。上記写真は渡り廊下ですが床と床が離れていますね。渡り廊下の床仕上げは1階に光を導くために木のルーバー床になります。先行で鉄骨のささら桁をコンクリートに打ち込みます。通常は階段などの鉄骨工事はコンクリートの打設後に設置するのですが、あと施工で設置をするとコンクリートと鉄骨を接合するボルトが等間隔に表面に出てきてしまい見た目が綺麗ではありません。配筋時にあらかじめ鉄筋と鉄骨プレートを溶接しておくことによってボルトの出ない躯体と一体化した納まりになるのです。

RIFF house/配筋検査-3_2階床

1階床に続き2度目の配筋検査です。今回は1階壁から2階の床の配筋検査です。1階壁はすでに検査を完了しており、内側の型枠がすでに立ち上がっております。

1階ダイニングから南側リビング方向を見る。2階の床を支える支保工という仮設の柱が乱立しております。コンクリートの床は相当な重量となりますので、台木を添え等間隔に支保工を設置します。階段の型枠もできていますね。

上記の写真は南側リビング奥のスタディスペース。コンクリート跳出しのデスクや縁側の配筋の状況です。天井と壁の隙間はスリットガラスによって内部と外部を分けています。ガラスで仕切っているのでとても浮遊感があるのがわかります。さらに右側はアウトドアリビングと庭が広がります。

配筋検査の様子。毎回必ず検査をします。

チンアナゴのようにニョロニョロ飛び出しているオレンジの管はCD管(合成樹脂製可とう電線管)と言ってコンクリートに埋設する管です。この管の中に電気の配線が入り上下階に展開します。

2階北側の様子。左側のブルーの板は断熱材で、このエリアは浴室になります。右手の床はまだ閉じていますが、1階から屋根まで吹抜けになります。配筋やコンクリートの打設の際に仮設で仮床を設置しています。

綺麗な配筋ですね。とても精度良く配筋して頂いております。見えなくなってしまう所を如何に綺麗に施工するかで建物の良し悪しが左右されます。

上記は跳出し(片持ち)階段の配筋です。三角形の計上をしていますが、階段下の天井高さを出来るだけ確保したいのと、本計画は両サイドが壁の為光を1階まで導くには3階ペントハウスのハイサイドライトから採光しなければなりません。光が届くように階段下部のエッジは落として薄い階段をデザインしました。写真奥の黒い部分が階段の形状です。この後階段の型枠を設置し壁からコンクリートを流し込みます。

玄関アプローチ階段からの見上げ。大きないかだのようなボリュームが2階部分になります。アプローチなので張り出したボリュームが雨除けの庇の働きもします。

最後は木製サッシの木部の色の確認です。建物は外断熱仕様なので仕上げをしなければなりません。少し明るめなグレー系の左官材に合うサッシ木部の塗装を確認しています。写真の一番後ろが左官壁、真ん中が木製サッシの色、手前の細長い材が内部の枠材です。ということで一目瞭然少しスモーキーな色合いの写真上段の組合せで確定です。

RIFF house/ランドスケープ打合せ/スタジオテラ

前回ブログでランドスケープの話が少し出ましたが、お施主様である奥様のお知り合いのスタジオテラさんをご紹介頂きました。設計中には何度かスタジオテラの石井さんや胡さんと、オンラインやメールなどでのお打合せをしてきました。小規模の建築の場合は自社でランドスープデザインをすることが多いですが、今回はご紹介頂いたスタジオテラさんの考え方や設計手法を学ぶ良い機会にもなりますので共同で進めてまいります。

上記の写真は基本設計段階に製作した模型で、ランドスケープ(外構計画)もこの段階で検討しています。建築の空間は上下空間がズレたスキップフロアの計画なので、庭のレベルも建物より下げ、内側に傾斜した芝生をベースに多様な植栽を植える計画としています。ランドスケープも立体的にデザインすることで奥行きのある空間となります。

平場には天然石を敷詰め、コンクリート製のベンチを配してリビング・縁側から延長するアウトドアリビングをデザインしています。その先には傾斜した芝生に配された色とりどりな植栽が空間を囲います。

こちらはスタジオテラの石井さんの断面スケッチ。本計画の設計趣旨を説明しご提案頂きました。南側(スケッチ左側)は余白を残した立体的な庭で、北側(スケッチ右側)の屋根からツル系の植物を植え、その下には耐陰性のある中木を植えます。空間は縦横に繋がり、床や天井はスキップフロアによるスリットがたくさんあります。視線の先には光・風・水を受けた植物がキラキラと陰影をつくり、小さくとも豊かな空間になると思います。

スタジオテラさんの検討・提案模型。植栽も日常と共に時間を掛けて成長するような場づくりを提案していた頂きました。

シンボルツリーの中高木の下には、種類の違う様々な低木や地被植物を配することで、季節の移ろいを感じつことが出来る計画です。

ルーフバルコニーにも手入れのしやすいカゴ状のプランターを配置しています。ツル系の植物が成長すると吹抜けから下垂し上下階を繋ぎます。浴室や洗面室の窓からも緑を感じることができ、また1階のダイニングキッチンからの視線の先にも耐陰性のシンボルツリーよって、コンクリートの空間を植物によって緩衝しています。

”どこにいても緑の気配を感じる” 空間です。

上記の石のような仕上材は、翔飛工業株式会社のEco Kawaraの製品で、南側アウトドアリビングの床材の採用を検討しています。瓦の骨材をセメントに練り込んだ舗装材です。瓦は使われなくなった廃瓦を粉砕して骨材として利用しており、非常に優れた保水性のあるリサイクル製品です。表情も素朴でそれほ主張もなく、それでいて何とも表情のある製品です。