SUG house/ 日刊Sumai 掲載

扶桑社さんが運営するWebメディア「日刊Sumai」に”SUG house“を掲載していただきました。
お施主様がモデル撮影に大活躍な記事です。

SUG houseの relife+ (リライフプラス) vol.38・「日刊住まい」取材風景はこちらのブログに綴っておりますので、合わせてご覧になっていただけると舞台裏が垣間見れますよ。↓

RIFF house/配筋検査-2_1階壁

1階床のコンクリート打設が終わり、いよいよ壁の立上りの配筋が施工されています。屋根まで同様な経過を綴っていくので少し飽きてしまうかもしれませんが、建物の成立ち、骨格の美しさがわかると思います。

柱・梁・開口部の様子がわかります。鉄筋が密に入っているところは柱や梁です。生物でいえば柱・梁は体幹骨格(軸骨格)というところでしょうか。それ以外の壁などは柱・梁を支える体肢骨格(付属骨格)ですね。

開口部の様子がわかるかと思いますが、この空間はダイニングキッチンになります。北側の斜面に面しておりとても暗い場所になりがちですが、開口部上部はライトウェル(光井戸)といって屋根まで吹抜けになっています。光がガンガン降り注ぐ空間ではないのですが、光と影の移ろいで時間の流れを感じられる空間になるのではと思います。既存の擁壁はそれなりに表情があるので、あえて閉じずそのままです。この空間には植栽が配されます。ランドスケープはスタジオテラさんの計画の予定です、お楽しみに!

配筋検査と同時に電気・機械設備の配管・スリーブ設置の確認もしました。コンクリート造なのでコンセントやスイッチは全てコンクリート内に打ち込みます。コンクリートの壁内を通って上下階に展開します。コンクリート造の場合、この位置がズレたり確認を怠ったりすると取り返しがつかなくなるので、入念にひとつひとつ確認していきます。

鉄筋が片持ちになっているのがわかりますが、これはコンクリートの跳出し(片持ち)デスクで、南側のリビング奥は家族みんなのスタディスペースになります。その奥のブルーシート部分にはスタジオテラさんデザインの緑豊かなランドスケープによって彩られます。

綺麗な空間です。これで完成でも良い感じですね。構造の骨格と、電・機械設備の血管がまるで生物のようです。

こちらの工作物は天井に取付くダウンライト埋込用のスリーブ材です。通常は天井ボードに穴をあけてのダウンライトを設置しますが、コンクリート打放しの場合はそうもいきません。ダウンライトのフェイスリムが見えてしまっては台無しなので、本計画はダウンライトも埋込です。照明はとても大事な要素ですが、ダウンライト等のベース照明の場合、照明が消えている時こそ存在感のない工夫をしなければなりません。この納まりは脱型(型枠外し)後のお楽しみで。。

RIFF house/コンクリート埋込照明器具モックアップ_5mmの世界

今回は照明のお話しです。コンクリート造、鉄骨造、木造でも同じことが言えますが、器具自体のデザインがいくら良くても仕上げ部分と器具が取付く部分のディテールが悪くては空間全体が台無しになります。プランニングや断面計画と同様に、空間デザインにおいて照明計画や設備計画は非常に大切なエレメントです。

RIFF Houseは内部空間の仕上げはコンクリート打放し仕上げになります。照明器具を壁面に設置するブラケットライトの場合、既製品の照明では器具自体が露出してしまう納まりになります。せっかくの打放し仕上げなのに照明器具に目がいってしまいますよね。シャンデリアのようなペンダント照明はそれ自体が空間デザインの一部なので良いのですが、ダウンライトやブラケットライトのようなベース照明はできるだけ存在感を消すようなデザインをしています。照明がついていない時にこそ存在感が消えるように。。星のような等間隔配置のダウンライトはNGです。

上記のスケッチはコンクリートを箱抜き(コンクリート打設時に埋込処理すること)にして、器具自体を埋込むディテールを検討しました。壁から電球のみが生えているようなデザインです。機械部分をプレートやカバーで隠すのではなく機械部分を半埋込して照明器具の存在感を消すようなディテールです。使用する電球はクリアのボール球なので点灯していない時はガラス玉が壁に張り付いているような、ある意味アートな印象です。

色々と設計者同士で検討している中、お施主様である設備家の奥様が、なんと!!原寸大の模型を製作してくださいました!スケッチで描いた寸法通りに木材を加工してどのようにランプが見えるか、機械部分の器具がどのように見えるかなど、とても分かりやすいですね。

こちらは横から見た照明器具の断面写真です。ランプが取付く機械部分は陶器製の器具を採用しています。レセップと言います。写真をみるとレセップの横から配線が出ているのがわかりますが、コンクリートの箱抜き寸法をかなり大きくしないと、器具を設置する際に結線処理が難しいことがわかりました。このように原寸大の模型で確認すると物理的に施工可能かと、美しい照明器具になるかが本当にわかります。

場所を変えて栄港建設さんにて点灯実験です。ここで照明の高さも確認していきます。床から約2mくらいに設置します。ブラケットライトは階段や吹抜け部分にも設置するので、目線を避けかつメンテナンスがしやすい高さに設置します。

事前に電気・機械設備会社のミドリ電工さんに埋込照明のスケッチをお送りしていました。そこで提案して頂いた器具が上記の写真です。黒いボックスは一般的にスイッチやコンセントなどをコンクリートに埋込む為のボックスですが、それを応用して照明用のボックスを開発されたようです。この辺りは著作権がありますので説明は割愛します。

皆さんが覗き込んでいるのは横から見た時にランプがどう見えるかを確認しています。コンクリートの埋込寸法の確認です、ここでも紙を用いて原寸で確認します。埋込寸法は35mmか40mmです。mm単位で調整し一番ランプが美しく見えるように検討しました。

上記の写真は40mm埋込の場合。悪くないですね。ガラス玉が壁に浮いているような印象です。

こちらは35mm埋込バージョン。ランプのくびれが少し見えた方が美しく、より浮遊感が出ていますね。これが5mmの世界です。1時間程議論を重ね満場一致で35mmで確定しました。

リビングに設置するペンダント照明の設置位置検討。断面模型で照明器具をコラージュしてみました。照明はジャスパーモリソンデザインのフロスのグローボールです。ベストセラーですね。上記写真はコンクリート天井の中心に設置したコラージュ写真。図面だけを見ているとコンクリート天井の中心に設置しようと考えておりましたが、こうして模型を見ると空間に対して右側に少し詰まった感がありますね。

こちらは空間の中心に設置した場合。こちらの方がゆったりとしている印象です。ほんの30cm程度の差なのですが劇的に変わりますね。設計中はどうしても面の中心で配置しがちですが、少しずらすことでヒエラルキー(境界)が曖昧になります。RIFF Houseの空間構成は、個室ではなく空間全体が繋がるので、あえて【ずらす】デザインは効果的です。

SUG house/CERA TRADING(セラトレーディング) 納品事例 掲載

欧米のメーカーから水まわり商品(洗面ボウル、水栓金具、アクセサリーなど)を輸入・販売するCERA(セラトレーディング)ホームページ事例紹介ページに“SUG house” を掲載していただきました。

CERAはもともとTOTOの子会社でして、CERAの輸入商品とTOTOの国内商品とのマッチングもできます。メンテナンスパーツも10年ほど保管してくれているので、何かメンテナンスする必要が生じた時にもパーツがなくて困るということがあまりなく、よく提案採用させていただいております。

SUG house”では、VILLEROY & BOCH(ビレロイ&ボッホ/ドイツ)の洗面ボウルとZUCCHETTI(ズケッティ/イタリア)の水栓金具を採用しました。

こちらの事例紹介サイトは、水まわり空間だけではなく、リビングや寝室などの居室空間なども紹介されていて、他の事例もかなり見応えがあるページになっています。絞り込み検索があるので、イメージづくりにもお役立ていただけますよ。

事例紹介の記事はこちらになります。
セラトレーディング 納品事例 ~二人のスケールに描きなおす~ 
https://www.cera.co.jp/column/casestudy/152/

どうぞご覧になってみてください。

RIFF house/コンクリート打設-1_1階床

本日は、1階基礎・耐圧版(床スラブ)のコンクリートの打設です。

生コンクリートは製造時に品質検査を行い合格したものが生コン車によって現場に運ばれます。到着するとまず最初に受入検査を行います。受入納品書と発注時に指定した配合計画書と整合が取れているかを確認します。主な検査はスランプ(柔らかさ)の確認、空気量の確認、塩化物量の確認、圧縮強度試験用のサンプル(供試体)を採取し硬化後に破壊検査を行います。7日程で速報が出ます。施主である構造設計者の立会いのもと受入検査を実施しました。Tちゃんも防災頭巾を被っての検査立会いです。

圧縮強度以外の各項目が合格であったので、検査数値の記録を撮影しいよいよコンクリートの打設となります。

打設の様子。建物の奥からコンクリートを流し込んでいきます。練られた直後のコンクリートは大きさの異なる骨材や、セメント水、気泡などの異質なものの混合物であり、そのまま打ち込むと密度の無い強度不足のコンクリートになってしまいます。コンクリートの打込み時にバイブレーター(振動棒)で振動を与えることで密度を高め骨材が均等に分布した強度のあるコンクリートとなります。

コンクリートの流し込みが完了したら、表面を平滑に仕上げて打設の完了となります。こうして基礎、耐圧版(床スラブ)打設に始まり、1,2階壁・床、3階壁・床・屋根と合計3回にわたりコンクリートの打設を行います。

型枠のモックアップ(実物大の模型)を作成してもらいました。コンクリートの型枠は様々な型枠が使用されます。一般的な打放し仕上げの型枠はコンパネと言われるもので、合板の表面を塗装でコーティングしたものが使用されます。打設後の表面はツルっとした綺麗な仕上がりになりますが、今回のRIFF Houseではコンクリートの物質感や力強さ、またラフさを表現したいのでラワン耐水合板を型枠として採用しています。ラワン合板をそのまま使用すると型枠を脱型する際に木の繊維がコンクリートに張り付いてしまうので、合板表面に撥水材を塗布したものを採用します。撥水材は水性と油性の2種類を製作してもらいました。

上記が脱型したコンクリートのモックアップです。左側が水性で右側が油性のものです。あまり違いが判りませんね。。若干ですが左側の水性の方がムラが程よくあり、ラワン合板の木目が薄っすら転写されています。本番の打設後に大きな面で見ると迫力があるかも知れません。ということで水性撥水材の採用となりました。