勝山の家

積極的に外部と関わり生活と環境を両立する

四方を山に囲まれた景観豊かな勝山は、典型的な内陸気候で寒暖差が大きく、冬には日本海から運ばれた重い湿雪が街を覆う豪雪地帯である。この地に生まれ育ったクライアントが求めたのは、冬の厳しさに閉じこもるだけの住まいではなく、地域の人々が気軽に訪れられる開放性を持ちながら、豪雪地ならではの苦労である「雪下ろし」が不要な家であった。

自然落雪を実現するために、屋根の勾配・素材・軒の高さ・落雪を受け止める空地の広さを慎重に検討し、敷地に対する建物の佇まいが自然と決まっていった。大きく張り出した軒下は、外部と内部を緩やかにつなぐアプローチであり、季節や天候に左右されないアウトドアリビングとして機能するとともに、落雪からガラス面を守る役割も担っている。

寒冷地の冬は室内で過ごす時間が長くなりがちだが、日々の光の変化や時間の移ろいを積極的に取り込むことで、雪とともにある暮らしを豊かなものへと転換することを目指した。気候と真摯に向き合いながら外部と関わりを持ち続けることが、この地ならではの豊かな暮らしのあり方につながると考えた。

所在地
福井県勝山市
用途
専用住宅
竣工
2015年2月
構造規模
木造・地上2階
敷地面積
330.58㎡
建築面積
113.16㎡
延床面積
152.47㎡
設計
ハクアーキテクツスタジオ+中西太介
構造設計
小谷建築設計
施工
横田建築
撮影
鳥村鋼一写真事務所
掲載誌
新建築住宅特集 2016年6月号(新建築社)