RIFF house/杭工事

本日より、杭工事が開始です。本杭工事に先駆けて行う試験杭の確認を現場で行いました。

構造形式(木造・コンクリート造・鉄骨造)や建物の重量、敷地の地盤状況によって最適な杭の工法を計画しています。杭はコンクリート杭や既成鋼管杭など工法は様々ですが、今回の工事では鋼管杭を採用しています。

敷地内に鋼管杭が搬入されています。事前にボーリング調査によって地盤調査を行い、支持層(安定地盤)の深さを確認しております。

支持地盤が浅い場合は表層改良や柱状改良で施工することが多いですが、支持地盤が深い位置にある場合は支持層まで確実に杭を打込み、その杭で基礎を支えます。回転しながら杭を打込むので、低騒音・低振動で都市部などの住宅密集地も最適な工法です。残土や産業廃棄物も少なくできます。

3~4mの鋼管を溶接しながら長さを延長し、支持地盤に打込みます。

アクロバティックな光景ですね。杭がスムーズに入らないようです。もともとこの敷地は道路から北側擁壁に向かって傾斜地であり、その後宅地造成より土地を切り開き現在のような地下駐車場を持った敷地になっています。表層部分は砂や砕石で締め固めているため、杭を何度か抜き差ししつつ、角度を変えながら少しづつ打込みます。

このようにして合計30本の杭を打込み、建物の基礎を支えます。

RIFF house/遣り方確認

建物を新築工事する際、地鎮祭を経て最初に行う工程が縄張り(地縄張り)というもので、敷地内における建物の配置を示す工事です。

ビニール紐などで建物基準となる外形ライン(正確には壁や柱などの建物の基準となる中心線)を可視化させて、施工会社、設計者立会いのもと図面通りの位置になっているか双方で確認作業を行います。

杭位置確認の様子。ピンクのリボンは建築物を支えるための杭を打込む印で、土中の支持地盤層まで杭を打込みます。

建物位置・通り芯(構造躯体などの基準芯)の確認作業。境界線から数センチでもずれると後々取返しのつかないことになるので、入念にチェックします。

BM(ベンチマーク)の設定。このBMを定めてそこから一定の高さをGL(グランドレベル)とします。一般的に道路のマンホールなど動かないものをBMとすることが多いのですが、計画敷地は道路と計画建屋の部分の高低差があるので、すでに完成している駐車場の躯体部分をBM=GL±0と定めています。このGLが各部分の高さの基準となります。

RIFF house/地鎮祭

初めて敷地を訪れてから約1年半、はれて地鎮祭を迎えることができました。
敷地は宅地造成がすでに完了しており、地下階に駐車場を持つ住宅です。

多摩丘陵上に位置するこの地域は全域に起伏に富んだ地形で、平坦な土地は川沿いの地域や台地上のごく狭い地域のみで坂の多い環境です。

地鎮祭は土木工事や建築工事の起工前に行い、土地の守護神を祀り、土地の利用のご報告、工事の無事を祈る安全祈願祭です。

神主によるお祓い、祝詞を経て、施主・設計者・施工会社によって地鎮の儀を行います。写真はお施主様による鍬入れの儀の模様です。

こちらは鎮物というもので、着工後、基礎工事の前に建物の中心に埋めます。

最後に関係者による記念撮影です。お施主様をはじめ、施工を請け負ってくださった栄港建設の岡田社長、現場監督の中原さん、お手伝いに来てくれた林さん、福井さん。ありがとうございます。いよいよ着工となりますがよろしくお願いいたします。

敷地の間口は約6m、奥行き20mで、北側には中層マンション、両隣には住宅がすでに建っておりますが南側は高い建物もなく、視線が抜け空がとても広いです。

本計画はお施主様が我々と同じ建築設計の設計者です。ご主人が構造家で、奥様が設備家という、オール設計メンバーによるなんともワクワクする計画です。

上記は本計画の初期の提案模型です。近隣は3方建物に囲まれており、唯一眺望の良い南側に向けて開放性を持たせた計画です。敷地の間口も狭いこともあり、純粋な木造で計画してしまうと、内部空間に柱や壁が出てくるため開放性のある空間を確保することが困難になります。本計画は外殻をコンクリート造で作り、コンクリートの壁と壁の間に木の梁を渡して床組みを構成することで、内部空間に柱が出てこない、コンクリート造と木造のハイブリッド構造で設計がスタートしました。

コンクリートの外壁は断熱性能が高い外断熱工法を採用しています。断熱パネルは繊維強化セメント板と押出発泡スチレン断熱材を複合したコンクリート型枠兼用の断熱パネルです。型枠兼用というのは型枠材がそのまま仕上材になるので、資材の節約、工期の短縮というメリットがあります。通常のコンクリートはコンクリートを打込んだ後に型枠を外し、打設後のコンクリートの状態を確認できるのですが、この工法ではコンクリート打設後の状態を確認できない、竣工後に不具合などがあった場合、メンテナンスがしにくいなどというデメリットもあるため、本計画はコンクリートを打設後に外断熱を張る、東邦レオの湿式外断熱システム、エコサームを採用しました。

南側のアウトドアリビングの様子。塀などで囲わずに植物の成長によって緩やかに視線を遮り、色とりどりな植物に囲まれる場所作りをしています。

リビングからアウトドアリビングの眺め。左奥は階段兼デスク、さらには縁側まで繋がり、アウトドアリビングに開放されます。どこに居ても自然が感じられる空間です。内部はコンクリート打放しと木の構造の組み合わせのシンプルな仕上げで、空間構成は狭いながらもスキップフロアによってできる空間が縦横に繋がり、動作に応じて視線が変化します。どこに居ても家族の気配、光や空気の流れを感じられる空間を設計しました。

当初はコンクリートと木の混構造でしたが、様々な条件が重なり純コンクリート造に計画が変更になりました。コンセプトは初期の計画から変えていません。より要素を削ぎ落したストイックな「素」の建築になると思います。

今後、工事の進捗や設計のプロセスなど少しづつブログに綴っていこうと思います。

relife+ (リライフプラス) vol.38 掲載

雑誌 relife+ (リライフプラス) vol.38 の【巻頭特集】「リノベ成功の鍵は収納のアイデアにあり!」に“SUG house” を掲載していただきました。
SUG house”は、マンションでよく見られる廊下と個室でつないだ一方通行で行き止まり感が感じられる3LDKプランを、ゆとりのあるスケール感に組み変え回遊性のある動線で繋ぎなおしたリノベーションです。
お施主様へのインタビュー後、どのように生活しているか日常風景を再現していただき、お施主様がモデルになって撮影してもらいました。
宜しければ、本屋さん等でお手に取ってご覧になってみてください。

YM house/軽量鉄骨下地確認、仕上げ材打合せ

本日はお施主様と軽量鉄骨下地材の確認と、仕上げ材の再確認をしました。

軽量鉄骨とは壁・天井の下地骨組みのことで、Lihgt Gauge Steel といい、規格化された軽量の鉄骨下地材です。現場では軽鉄下地、LGS下地と呼ばれます。なぜこの段階でお施主様と現場にてお打合せをするかと言いますと、仕上げはまだですが空間の骨格が出来ているので、部屋の広さや天井の高さなど、実際に空間のスケール感を体感して頂き仕上げの材質や色などを決定していきます。

上記は寝室の様子です。前回ブログでも書いたように、奥側の天井は梁型を隠すように、変形したLGS下地が組まれています。

こちらは間接照明を仕込むために天井を折上げ形状としています。

床の取合いです。写真を見ると板材が4層に見えます。下から遮音材+捨張り合板+床暖房用合板根太+さらに床暖房保護用の捨張り合板が張られています。この上に仕上げのフローリング材が張られます。手前のコンクリート下地部分はタイルを張る計画です。

マンションの多くは下階に振動が伝わらないように遮音材を敷きます。マンションによって管理規約で遮音等級が規定されており、こちらのマンションではフローリング部分の床材の張替についてはLL-45以上の床衝撃遮音性能を求められていました。遮音材は複合フローリングの場合はLL-40の遮音性能を確保でき、床暖房へも対応しているアトピッコハウスのわんぱく応援マットを採用しています。

設計段階でベースカラーやお好みの色合いなどは決定していますが、候補の材料全てを現場に持ち込み、再度お施主様と現地の状況に合わせて確認していきます。

これらを床・壁・天井に実際に合わせて消去法で決定していきます。

LDKからの眺め。周辺は高い建物が無く、遠景には高層ビルが見えます。コントラストがとても素晴らしい眺望です。

YM house/解体後の取合い確認

解体後の現場確認です。既存の設計図を基に設計を進めていますが、マンションの建築中に配管ルートやスラブ(コンクリートの床)の段差などが変更されることが往々にしてあります。それらの変更は建物の竣工図に反映されていない場合が結構ありますので、竣工図と現場を照らし合わせながら入念に現場の確認をします。既存の状況によってはデザイン・設計の変更をすることもあります。

LDKの様子。基本的に壁・天井ボードは既存のままとし仕上げのみの変更です。床はすべて撤去し、床暖房専用のフローリングが張られます。右手はキッチンスペースで代官山にあるキッチンメーカーのクチーナで製作する計画です。

キッチン工事でダイニング側とキッチン側にそれぞれ面して背合わせでカップボードを製作するのですが、既存残しの天井部分との取り合いがあり、一隆建築の太田さんにレーザー墨出器で確認してもらいました。

もう少し解体範囲を調整する必要がありそうです。キッチン工事の方ではキャビネットの高さの調整をすることになりました。リノベーション工事ですと既存との取り合いがありますので、キッチン製作発注前に解体確認後の内容を最終承認図へ反映していきます。

もともとリビングに面していた和室はすべて撤去し、ストレージと書斎に変更します。写真でもわかるように床の段差が結構ありますね。タイルなど仕上げよっては仕上がりに影響がでますので、セルフレベリング剤で平滑にします。セルフレベリング剤は、流し込むだけで均一なレベルを形成する性質(自己水平性)をもつ素材ですが、20mm以上の厚みを必要とする場合はモルタルを用いコテで平滑にします。

北側の寝室の様子。正面の梁型の部分が撤去されていますが、ここには間接照明を仕込んだ天井を新たに作ります。天井に光源を向けて設置するので、天井全体がほんのり明るくなります。就寝時に光源が直接目に入らないようしています。

エントランスホール。右手が玄関で、左手が今回新たに計画したストレージです。エントランスの折上げ天井は、お施主様が気に入っておられたので既存を活かした設計をしています。

今回は一部を除いて天井を解体しない計画ですので、換気設備は交換しますが、その先のダクト管や給水給湯の既存配管は利用できる部分は再利用としています。

YM house/キッチンの最終確認@クチーナ

7月下旬より工事着手したYM houseですが、そろそろキッチンの発注もかけないといけない時期になりましたので、お施主様と一緒に代官山にあるクチーナ ショールームへ、発注前の仕様確認に行ってきました。

計画序盤の4月上旬にショールームへ伺ってから、しばらく時間があいていましたので、まずはキッチンのデザインイメージから確認です。

キッチンは、窓の位置を活かしたL型プランにしています。使い勝手からシンクやガスコンロの位置は既存と同じような位置になっています。

カウンターはすべてフラットにしています。その方が下ごしらえの準備をする時に材料やお料理の本、レシピを見る用にタブレットなどを置けますし、何人かでお料理するときに作業ができるスペースになったりするので、フレキシブルな使い方ができます。

リビング側から見てもすっきり見えるように、カウンター天板の厚さはクォーツストーンの材厚12mmが通るようなディテールにして、扉は展示の写真のようなプッシュラッチにして把手をつけないデザインにしています。

カウンター材はアイカ工業のクォーツストーンフィオレストーンのホワイトクレイです。扉は“シェルホワイト”というクチーナ オリジナル色で少しグレーがかかったホワイトの鏡面塗装仕上げになりました。

キッチン収納や設置する設備機器などの仕様も確認していきます。コンロ下部には、1枚の引出し扉で操作して、中に小引き出しがあって引き出しとしては2段になるタイプを採用しています。鍋やフライパン、ボウルなど調理器具の収納は、引き出し収納にすると屈まなくても上から覗いて器具を出し入れできるので便利です。

L型キッチンは、コーナー部分の収納がデッドスペースになりやすいのですが、その部分はコーナー用収納を採用し、収納量をできるだけとれるようにしています。

クチーナ で担当してもらっている平井さんより、展示されているミーレの食洗機を使用して、使い方などを説明していただきました。

採用するレンジフードについて実物を見ながら仕様の確認をするのと合わせ、お手入れについても説明していただきました。

お施主様の最終確認で追加変更になった部分を製作図に反映して、あとは解体工事後の現場状況と計画内容をすり合わせしましたら、いよいよキッチンも発注になります。

SUG house/ 竣工写真撮影

新型コロナウイルスの影響もあり竣工からだいぶ日にちが開いてしまいましたが竣工写真撮影を行いました。お久しぶりにお伺いすると、新居にお引越しになられてからインテリアを彩る家具や調度品も充実したインテリアになっておりました。

撮影はいつも竣工写真をお願いしている建築写真家の鳥村鋼一さんです。独特の視点で撮影してくださり、いつも大変勉強になります。

鳥村さんの後を追いつつ手持ちカメラでアングルの勉強です。

お伝えするのが遅くなりましたが、家具や建具枠・見切材などにステンレスの鏡面仕上げを多々用いています。

お掃除には少々気を使いますが、鏡のように空間や光が映り込むので、キラキラとしてとても雰囲気がでます。

新居にあったお花を拝借しディスプレイしました。活け花はわたくし関です。

いつもですが、竣工写真撮影は必ず足が攣ります。ふくらはぎと足の甲同時に攣ることもあります。(それは撮影アシスタントとして働くからです。)マッサージボールをお借りしました。これ、良く効きます。

最後はお施主様から、皆さんで記念撮影がしたいと、とてもありがたいお言葉を頂きましてリビングダイニングでの記念撮影となりました。

YM house/解体中確認

解体工事を進めていたところ、一部想定と違う部分があったとのことで、計画と解体の方針をすり合わせるため現場で確認をしました。

リビング・ダイニング・キッチンの解体状況です。今回の工事では、解体コストをできるだけ抑えるため、リビング・ダイニング・キッチンの天井下地は可能な範囲で再利用をすることで計画しています。

床のフローリングは貼り替えをするのですが、一緒に既存の床暖房パネルも更新します。床スラブの段差が想定と違っていたため、床暖房の配管ルートの打合せをしました。

床スラブが想定と違って高くなっていた部分がありました。どれくらいの誤差になるか、施工会社の一隆建築 太田さんにレーザー墨出器でレベルを出してもらっています。
他にもPSの部分が一部想定と違っていましたが、そこは家具の調整などでなんとか大丈夫そうです。

YM house/フローリング確認@IOC

工事着手し、解体工事が進んでいるYM houseですが、本日は発注の締め切りを目前に控え、決め手にかけていたフローリングの確認をするため南青山のIOCショールームに伺いました。

こちらは、候補に残っている“カンヌグリ”というオーク材の複合フローリングです。スモーキーな感じの色味も気に入られていて、190mmの幅広で長さも1900mmあり、さらに床暖房対応可というスペックです。なのですが。。。何が決め手にかけていたかというと。。。どうしてもこの黒い節が気になっていまして、天然木の持つ個性ではあるのですが少しワイルド目なイメージになってしまうのではないかというところが引っかかっておりました。他メーカーも含めて色々と見に行ったのですが、やはり色味や幅はカンヌグリがお施主様の好みに一番近く、もう一度IOCに確認にきた次第でした。

「節のないカンヌグリがあったらいいのに!」とぼやいていたところ、IOCショールームでご担当いただいた方が「最近出た商品で似たような材がありますよ」と出してきてくださったのが、こちら。“オーク40マキアージュオイル”という複合フローリングです。表面無垢材も4mmと厚めで180mmの幅広、床暖房対応とスペックもカンヌグリと近く、そして目立つ節がほぼないという材です。

一気に最有力候補となった“オーク40マキアージュオイル”。早速他の床材など取り合う部分のサンプルを合わせてみました。ショールームの照明だけでなく、天然光でも確認させてもらえないかとのお願いにも快くご対応いただき、屋外で日中の光の色味を確認しまして、無事決定となりました。

最後に、フローリングのお手入れ方法をレクチャーしていただきました。天然木は定期的にお手入れをしていただくと長持ちします。

フローリングジプシーになっておりましたが、最後の最後で一番気に入られたフローリングに出会えて、お施主様も私たちもほっとひと安心です。フローリングが貼られたところを見るのが楽しみです。