YM house/軽量鉄骨下地確認、仕上げ材打合せ

本日はお施主様と軽量鉄骨下地材の確認と、仕上げ材の再確認をしました。

軽量鉄骨とは壁・天井の下地骨組みのことで、Lihgt Gauge Steel といい、規格化された軽量の鉄骨下地材です。現場では軽鉄下地、LGS下地と呼ばれます。なぜこの段階でお施主様と現場にてお打合せをするかと言いますと、仕上げはまだですが空間の骨格が出来ているので、部屋の広さや天井の高さなど、実際に空間のスケール感を体感して頂き仕上げの材質や色などを決定していきます。

上記は寝室の様子です。前回ブログでも書いたように、奥側の天井は梁型を隠すように、変形したLGS下地が組まれています。

こちらは間接照明を仕込むために天井を折上げ形状としています。

床の取合いです。写真を見ると板材が4層に見えます。下から遮音材+捨張り合板+床暖房用合板根太+さらに床暖房保護用の捨張り合板が張られています。この上に仕上げのフローリング材が張られます。手前のコンクリート下地部分はタイルを張る計画です。

マンションの多くは下階に振動が伝わらないように遮音材を敷きます。マンションによって管理規約で遮音等級が規定されており、こちらのマンションではフローリング部分の床材の張替についてはLL-45以上の床衝撃遮音性能を求められていました。遮音材は複合フローリングの場合はLL-40の遮音性能を確保でき、床暖房へも対応しているアトピッコハウスのわんぱく応援マットを採用しています。

設計段階でベースカラーやお好みの色合いなどは決定していますが、候補の材料全てを現場に持ち込み、再度お施主様と現地の状況に合わせて確認していきます。

これらを床・壁・天井に実際に合わせて消去法で決定していきます。

LDKからの眺め。周辺は高い建物が無く、遠景には高層ビルが見えます。コントラストがとても素晴らしい眺望です。

YM house/解体後の取合い確認

解体後の現場確認です。既存の設計図を基に設計を進めていますが、マンションの建築中に配管ルートやスラブ(コンクリートの床)の段差などが変更されることが往々にしてあります。それらの変更は建物の竣工図に反映されていない場合が結構ありますので、竣工図と現場を照らし合わせながら入念に現場の確認をします。既存の状況によってはデザイン・設計の変更をすることもあります。

LDKの様子。基本的に壁・天井ボードは既存のままとし仕上げのみの変更です。床はすべて撤去し、床暖房専用のフローリングが張られます。右手はキッチンスペースで代官山にあるキッチンメーカーのクチーナで製作する計画です。

キッチン工事でダイニング側とキッチン側にそれぞれ面して背合わせでカップボードを製作するのですが、既存残しの天井部分との取り合いがあり、一隆建築の太田さんにレーザー墨出器で確認してもらいました。

もう少し解体範囲を調整する必要がありそうです。キッチン工事の方ではキャビネットの高さの調整をすることになりました。リノベーション工事ですと既存との取り合いがありますので、キッチン製作発注前に解体確認後の内容を最終承認図へ反映していきます。

もともとリビングに面していた和室はすべて撤去し、ストレージと書斎に変更します。写真でもわかるように床の段差が結構ありますね。タイルなど仕上げよっては仕上がりに影響がでますので、セルフレベリング剤で平滑にします。セルフレベリング剤は、流し込むだけで均一なレベルを形成する性質(自己水平性)をもつ素材ですが、20mm以上の厚みを必要とする場合はモルタルを用いコテで平滑にします。

北側の寝室の様子。正面の梁型の部分が撤去されていますが、ここには間接照明を仕込んだ天井を新たに作ります。天井に光源を向けて設置するので、天井全体がほんのり明るくなります。就寝時に光源が直接目に入らないようしています。

エントランスホール。右手が玄関で、左手が今回新たに計画したストレージです。エントランスの折上げ天井は、お施主様が気に入っておられたので既存を活かした設計をしています。

今回は一部を除いて天井を解体しない計画ですので、換気設備は交換しますが、その先のダクト管や給水給湯の既存配管は利用できる部分は再利用としています。

YM house/キッチンの最終確認@クチーナ

7月下旬より工事着手したYM houseですが、そろそろキッチンの発注もかけないといけない時期になりましたので、お施主様と一緒に代官山にあるクチーナ ショールームへ、発注前の仕様確認に行ってきました。

計画序盤の4月上旬にショールームへ伺ってから、しばらく時間があいていましたので、まずはキッチンのデザインイメージから確認です。

キッチンは、窓の位置を活かしたL型プランにしています。使い勝手からシンクやガスコンロの位置は既存と同じような位置になっています。

カウンターはすべてフラットにしています。その方が下ごしらえの準備をする時に材料やお料理の本、レシピを見る用にタブレットなどを置けますし、何人かでお料理するときに作業ができるスペースになったりするので、フレキシブルな使い方ができます。

リビング側から見てもすっきり見えるように、カウンター天板の厚さはクォーツストーンの材厚12mmが通るようなディテールにして、扉は展示の写真のようなプッシュラッチにして把手をつけないデザインにしています。

カウンター材はアイカ工業のクォーツストーン、フィオレストーンのホワイトクレイです。扉は“シェルホワイト”というクチーナ オリジナル色で少しグレーがかかったホワイトの鏡面塗装仕上げになりました。

キッチン収納や設置する設備機器などの仕様も確認していきます。コンロ下部には、1枚の引出し扉で操作して、中に小引き出しがあって引き出しとしては2段になるタイプを採用しています。鍋やフライパン、ボウルなど調理器具の収納は、引き出し収納にすると屈まなくても上から覗いて器具を出し入れできるので便利です。

L型キッチンは、コーナー部分の収納がデッドスペースになりやすいのですが、その部分はコーナー用収納を採用し、収納量をできるだけとれるようにしています。

クチーナ で担当してもらっている平井さんより、展示されているミーレの食洗機を使用して、使い方などを説明していただきました。

採用するレンジフードについて実物を見ながら仕様の確認をするのと合わせ、お手入れについても説明していただきました。

お施主様の最終確認で追加変更になった部分を製作図に反映して、あとは解体工事後の現場状況と計画内容をすり合わせしましたら、いよいよキッチンも発注になります。

YM house/解体中確認

解体工事を進めていたところ、一部想定と違う部分があったとのことで、計画と解体の方針をすり合わせるため現場で確認をしました。

リビング・ダイニング・キッチンの解体状況です。今回の工事では、解体コストをできるだけ抑えるため、リビング・ダイニング・キッチンの天井下地は可能な範囲で再利用をすることで計画しています。

床のフローリングは貼り替えをするのですが、一緒に既存の床暖房パネルも更新します。床スラブの段差が想定と違っていたため、床暖房の配管ルートの打合せをしました。

床スラブが想定と違って高くなっていた部分がありました。どれくらいの誤差になるか、施工会社の一隆建築 太田さんにレーザー墨出器でレベルを出してもらっています。
他にもPSの部分が一部想定と違っていましたが、そこは家具の調整などでなんとか大丈夫そうです。

YM house/フローリング確認@IOC

工事着手し、解体工事が進んでいるYM houseですが、本日は発注の締め切りを目前に控え、決め手にかけていたフローリングの確認をするため南青山のIOCショールームに伺いました。

こちらは、候補に残っている“カンヌグリ”というオーク材の複合フローリングです。スモーキーな感じの色味も気に入られていて、190mmの幅広で長さも1900mmあり、さらに床暖房対応可というスペックです。なのですが。。。何が決め手にかけていたかというと。。。どうしてもこの黒い節が気になっていまして、天然木の持つ個性ではあるのですが少しワイルド目なイメージになってしまうのではないかというところが引っかかっておりました。他メーカーも含めて色々と見に行ったのですが、やはり色味や幅はカンヌグリがお施主様の好みに一番近く、もう一度IOCに確認にきた次第でした。

「節のないカンヌグリがあったらいいのに!」とぼやいていたところ、IOCショールームでご担当いただいた方が「最近出た商品で似たような材がありますよ」と出してきてくださったのが、こちら。“オーク40マキアージュオイル”という複合フローリングです。表面無垢材も4mmと厚めで180mmの幅広、床暖房対応とスペックもカンヌグリと近く、そして目立つ節がほぼないという材です。

一気に最有力候補となった“オーク40マキアージュオイル”。早速他の床材など取り合う部分のサンプルを合わせてみました。ショールームの照明だけでなく、天然光でも確認させてもらえないかとのお願いにも快くご対応いただき、屋外で日中の光の色味を確認しまして、無事決定となりました。

最後に、フローリングのお手入れ方法をレクチャーしていただきました。天然木は定期的にお手入れをしていただくと長持ちします。

フローリングジプシーになっておりましたが、最後の最後で一番気に入られたフローリングに出会えて、お施主様も私たちもほっとひと安心です。フローリングが貼られたところを見るのが楽しみです。