立夏と木陰のパーソナルスペース

最近、事務所の周辺では新緑が青々しく眩しいほどです。ちょうど二十四節気の「立夏」の頃。暦の上で夏が始まるこの時期は、木々の緑が一気に深まり、光と影のコントラストが鮮やかになります。

夏の気配が漂い始めながらも、風はまだ爽やかで、一年のうちでも特に気持ちのよい季節です。

秋になるといちょう並木の紅葉で空気が黄金色に染まる千駄ヶ谷駅付近も、この季節はいちょうの新緑と青空が瑞々しく、思わずお出かけしたい気分になります。

事務所近くの新宿御苑でも、木々の新緑と青空と影のコントラストが美しく、初夏らしい爽やかさが広がっていました。

大きな木の下には自然と人が集まり、シートを広げてお弁当を食べる家族、静かに本を読む人、ただぼんやりと空を見上げる人。木の枝が広がるその範囲が、それぞれのパーソナルスペースになっています。木陰は、自然に囲まれながら人の目を柔らかく遮り、茂った葉が自然な「天井」となり、枝の広がりが緩やかな「壁」の役割を果たすことで、リラックスして過ごすのに心地よい空間を生み出してくれます。

仕事柄、「居場所をつくる」ということをよく考えます。壁や間仕切りがなくても、木漏れ日が足元を染め、梢が空間を柔らかく区切る。木陰が持つこの空間的な力は、季節ごとにそれぞれの魅力がありますが、新緑の季節はまた格別です。リラックスしている方々を拝見して、自分までのんびりした気分になり、改めてその魅力を見直しました。