RIFF house/コンクリート打設-4_3階壁・屋根

4回目の最後のコンクリート打設です。今回は3階(塔屋)の壁と屋根の打設になります。それと玄関から少し降りる基壇(階段)とダイニングテーブルの打設です。

コンクリートの受入検査はもちろん確認しておりますが今回は割愛します。 上記写真は塔屋屋根の打設写真です。1.2階のヤマ場は過ぎたので職人さんの人数も少ないです。

上記はダイニングテーブルの打設風景。シンクのワークトップとダイニングテーブルを兼ねており、ワイドは3.6m強あります。型枠が外れると圧巻ですね。皆でワイワイとお料理しながらテーブルを囲む風景を想像します。

ダイニングテーブル端部。テーブルの底部が逆三角形になっているのが写真を見てわかりますかね。ダイニングテーブルは1.8mも跳出しているので、コンクリートにある程度厚みが無いと根元で折れてしまいます。ただそのまま厚みを持たせた場合、今度は椅子に座った時にコンクリートが膝に当たってしまいますよね。なので正面から見たテーブルの厚みは鉄筋が入るギリギリの寸法で約7cmの見付としています。中心に沿って船底のような逆三角形になっているのです。中心部を厚くすることで跳出しの力を支えます。例えるなら樹木の枝や生物の腕や足のように根元を太く先端を細くしています。 建築は自然界の力学から応用しているのがとても分かります。

こちらは玄関からLDKに降りる基壇(階段)です。下足入れやベンチの家具と一体になります。

前回コンクリートを打設した2階部分です。型枠がすでに外れています。天井はまだコンクリートの養生期間ですので型枠は外せません。しばらくは支保工(仮設の鉄骨柱)ある状態で作業進めなければなりません。

2階の型枠が外れた状態(脱型)です。ラワン合板型枠のラフな仕上げが何とも表情があります。

次回は脱型後の確認でコンクリートの空間が露わになってきます。楽しみです。

RIFF house/配筋検査-6_3階壁・屋根

いよいよ最後の配筋検査です。前回3階の床までコンクリートの打設が完了し、残すは3階(塔屋)の壁と最上部の屋根の配筋検査になります。

中央右手の開口部はルーフバルコニーへ出るための開口部になります。内部空間はスキップフロアの為、屋根にもレベル差があることがわかります。手前の一番低い床は北側の水廻り(トイレ・洗面・浴室)エリアです。

上記写真は、最後にコンクート打設前の塔屋です。階段室と採光の為の大開口のハイサイドライトが設置されます。

こちらも最後の電気配管の確認です。内部空間はボードなどで仕上げをしないコンクリート打放し仕上げのため、屋根スラブにも配管が展開しています。

隅部の柱と梁の取合い。柱梁を壁の中に納めるため、かなり複雑な配筋です。

塔屋階段内部から見たハイサイドライト。東側向きに設置しておりますが、ワイドは約7mあるので太陽が南側に移動しても十分に光を下階まで届けることができます。

1階のキッチン兼ダイニングテーブルの配筋です。前回ブログでも書きましたが家具もコンクリートで製作します。真ん中の型枠にステンレス製のシンクが納まります。

コンクリート製のダイニングテーブルは約2m跳ね出しております。天板を支える脚がありませんのでゲストが沢山来た時でもテーブルを囲むことができます。

埋込シンクの型枠・配筋の状況。シンク部のコンクリートの厚みは12cm

上記がシンク側の図面です。ダイニングテーブルが跳ね出していることがわかります。このテーブルもコンクリート製です。

この建物の内部空間はスキップフロアで、玄関からアプローチしてすぐに上下に分かれる階段があります。上階(2階)へはコンクリート壁から持ち出した片持ち階段。下階(1階LDK)へはコンクリートの塊の基壇。軽やかさと重厚さ、素材そのものの物質の力が感じられると思います。

いよいよ次回は最終コンクリート打設となります。

RIFF house/コンクリート打設-3_2階壁・RF床

3回目のコンクリート打設です。今回は2階壁から屋根の打設です。

3回目の受入れ検査の模様。検査立会いのTちゃんです。コンクリート打設には毎回検査立会いをしてくれています。だいぶ板についてきたようで「今日のは前より柔らかいねと!ピース!」さすが構造家Jr! 確かに前日の大雨で湿度が多く少し柔らかいコンクリートでしたが、許容値をクリアしていたのでOKです。

今までのコンクリート打設と同様に建物の奥から打設していきます。

コンクリートの打設は建物の規模にもよりますが、ポンプを取りまわす人が2人、振動棒(バイブレーター)で撹拌する人が2人、振動棒の配管を取りまわす人が1人、同時に打ち込み終わったコンクリートを均す人と現場監督で合計6~7人体制で、さらには外部及び下階にコンクリートを隅々まで充填する為に、木槌で型枠を叩く役割の人、床の型枠を支持する支保工(鉄骨の仮柱)をレベルを調整する職人さんもいるので合計12~13人です。コンクリートは流動的なので時間内に均一に打設するには沢山の職人さんが関わっています。

2階から3階へ続く片持ち階段の打設風景。職人さんの背中に写っている緑の線はレベラーと言って水平・垂直をレーザー照射して各部のレベルを確認しながら支保工を調整します。

型枠大工さんも常に型枠の状況をみて調整しています。

打設後の様子。打設時は連続して作業が行われる為休憩をとることができません。そして打設が終わると静寂に包まれます。いつもですがこの瞬間は何とも言えない気持ちになります。

今まで設計してきたものがが出来てくる瞬間と言いますか、少しづつ自分の手を離れていくような。。

脱型後のラワン合板型枠の肌理。とても表情がありますね。この肌理ももちろんこのままで仕上げです。

RIFF house/配筋検査-5_RF床

2階壁に続きRF床の配筋の模様です。2階壁からRF床まで一度に打設します。

RF床の様子。左側のボリュームは3階の塔屋です。この塔屋の役割はルーフバルコニーへ出るための階段室と東側からの光を取り込む大開口のハイサイドライトです。東側からの光を階段室に取込み下階へ落とします。階段はコンクリートの片持ち階段であり、段と段に隙間を設けているので光と影が下階に落ちます。

南側寝室は下階に柱や壁が無く、部屋丸ごと跳ねだしたボリュームです。屋根部の隅部には様々な力が作用するので配筋を密に配しています。

全景。右下は階段室。ここから光を取り入れます。

北側右上の穴が、1階のダイニング・キッチン、2階の浴室・洗面室に光を取り込むためのヴォイド(光井戸)です。

上下階のスリット。内部空間も床スラブに段差をつけて光を呼び込みます。

この建物はコンクリート造で外断熱仕様で内部はコンクリート打放し仕上げです。サンプルは外部の左官材の色の検討です。コンクリートに近いグレー色は少し冷たい印象になるので、すこしブラウンが入ったグレーベージュ系の色で進めることになりました。

RIFF house/配筋検査-4_2階壁

型枠・配筋も中盤です。1階から2階の床までのコンクリート打設が複雑でとても緊張しましたが、いよいよ2階の壁の配筋です。3階床もまだまだ段差があり複雑なのですが。。

2階の壁もとても綺麗に配筋されております。以前ブログでも書いたように密に配筋されている箇所は壁一体の変形柱です。

2階床の模様。前回ブログでも書きましたが床レベルが複雑ですね。右側床の足場があるところは上下を繋ぐ階段エリアで、左側のエリアがお子様のお部屋です。宙に浮いているコンクリートはデスクになります。

上記の写真は建物の一番奥の浴室からの風景です。浴室左側はヴォイド(吹抜)で屋上から1階のダイニングに光を導く光井戸になっています。外周はコンクリート囲われており近隣の環境を閉ざしながら、2階浴室・洗面から1階まで光がゆき届きます。

先日打設したコンクリートの型枠が外されています。緊張感のあるツルっとしたコンクリート打放ではなく、程よくラワン合板型枠の木地が出ていますね。光の移ろいがやわらかく陰影をつくりだしてくれると思います。

上記2枚の写真は、先ほどの子供室から少し上にスキップした主寝室です。南側に設けた大開口の窓から各空間に光を呼び込みます。

打設後の1階の様子。奥がキッチン・ダイニングです。北側奥の ヴォイド(吹抜) 部分はまだ仮床型枠があるので暗いですが型枠が外れるとほんのり明るい空間になります。 南側や西側の光に比べて劇的な光ではありませんが、北側の光は安定しているので 静かで柔らかい光に包まれると思います。

先日の打設後に姿を現したコンクリートの片持ち階段。まだ底面の型枠を外すことはできませんが、段の隙間から光が下階に落ちます。光と影の陰影が美しい空間になります。

前回のブログにも書いた廊下の鉄骨ささらプレートです。一体打込みなので鉄骨プレートを支持するボルトが出てきていません。

北側のヴォイド(吹抜)の様子。既存擁壁ギリギリに攻めています。吹抜部にはランドスケープのスタジオテラさん設計の樹木が植えられます。下草と高木が上部からの光を浴びてキラキラとダイニングを彩ると思います。

コンクリート打放仕上の様子。うっすらとラワン合板の木目や木の肌が出ています。緊張感のあるスベッとしたコンクリート打放し仕上げよりは、手触りも優しくとてもラフな印象です。あえて木目や打設時によるズレ・窪みはそのまま残します。

俯瞰した建物の様子。だんだん姿が見えてきました。楽しみです。