SOU | プロジェクトネームについて
茶室を日常的に生活に取り入れ、日常生活とハレの場としてのお茶事、どちらのシーンにも添う機能と、違和感のないデザインを目指したリノベーション「SOU」。
今回は、その「SOU」というプロジェクトネームの由来についてご紹介します。

日本語の中で「そう」という音は、ひとつに定まらず、さまざまな意味を内包しています。
その広がりのある言葉の響きが、今回の空間のあり方とどこか重なるように感じられ、あえて一文字の音として表現しています。
たとえば――
「双」は、対になるもの。
「想」は、思いや考え。
「相」は、外に現れるかたち。
「創」は、新しいものを生み出すこと。
「層」は、重なり。
「装」は、よそおい。
「爽」や「颯」は、空気の清らかさや軽やかさ。
どれも今回の空間を説明する要素の一部であり、ひとつに限定するのではなく、いくつもの意味が重なり合うことで、この場所の輪郭が浮かび上がってくるように思います。
本格的な茶室を併設した住まいとして、静けさや陰影を大切にしながら、素材の重なりを大事にして空間を整えました。漆喰や木、鉄といった異なる質感が重なり合い、品のある落ち着きの中に凛とした空気が感じられる空間になったのではないかと思います。

また、「草」という言葉も、このプロジェクトネームを考える上で印象的でした。
茶道の世界における「真・行・草」という考え方は、本来のかたちから、くずし、やつしへと移ろう美意識を表しています。整えられたものをそのまま写すのではなく、そこから少しずらし、削ぎ落とし、新たなかたちへと昇華させていく。その過程には、日本人特有の美意識や創造の在り方が表れているように感じます。

今回の「SOU」という名前には、そうした「まねる・くずす・やつす」というプロセスや、時間を経て重なっていく価値観も重ねています。ひとつの意味に定めないからこそ、使う人や時間の流れによって少しずつ解釈が変わっていく。そんな余白を持った名前として、この空間に寄り添っていけばと思っています。