RIFF house/型枠脱型

いよいよコンクリート型枠取外し(脱型)です。最後のコンクリート打設から約1か月ですが、その間に脱型は済んでおり、コンクリートの部分補修工事を実施しています。今回の計画のような小規模で複雑なコンクリート造の場合、狭い隅部などにコンクリートが完全に充填しないことがあり、そのような箇所はコンクリートを斫り(削ずること)とり鉄筋は錆止め処理を施し、新たにコンクリートを打設します。

1階ダイニング・キッチンからリビング・アウトドアリビングの眺め。ダイニングキッチンは極力天井高を抑えています。洞窟のような囲われた場所で食を共にします。リビングからアウトドアリビングにかけて天井が高く外に向けて開放されます。天井の高さをコントロールすることによって劇的な空間になります。大きな吹抜けも良いですが、狭い空間においては空間に少し差をつけるだけでも、人の動作によって空間の移り変わりが感じられます。ダイニングキッチン手前の北側にはルーフバルコニーまで繋がる吹抜け(光井戸)があるので光と空気が空間全体を包みます。

こちらの基壇(階段の塊)はLDKに繋がるアプローチです。ただ階段を作るのではなく、玄関収納とリビングのベンチを兼ねています。上階へ繋がる階段は壁から跳出した片持ち階段です。コンリートの可能性は無限で意図的に操作することで空間の在り方も変わります。動線は軽やかに、皆の集まるところは包まれるような安心感。

上記の写真は2階の空間です。手前がお子さんのお部屋。宙に浮いているコンクリートは床兼デスクです。少しづつスキップして主寝室。建物の両サイドはお隣の建物があるので採光・換気用の窓だけです。南側の主寝室の窓と階段上部のハイサイドライトから光を落とします。

階段上部のハイサイドライトは空間全体に光を落とし、写真右側の吹抜け(光井戸)はルーフバルコニーから1階のダイニング・キッチンまで光を届けます。この光を異なる操作をすることで陰影のある奥行きのある空間になります。

北側の 吹抜け(光井戸) です。1階はダイニング・キッチン、2階は浴室・洗面など水廻りを配置しています。北側には中層マンションがありこの建物を見下ろしているため、外殻でプライバシーを守りながら光の届く設計をしています。

浴室から洗面室の眺め。 吹抜け(光井戸) からの光が暗がりで陰鬱になりがちな北側の水廻りを明るく照らします。

上記の写真は、階段上部のハイサイドライトです。開口ワイドは約7mあり下階まで光を取り入れています。両サイドに隣家が迫っているため、このハイサイドライトが空間全体に光を届ける要となります。

階段上部のハイサイドライト(ルーフバルコニーから) です。東南に配しているため、時期・時間によって移ろう光が内部空間の光を変化させます。

2階からルーフバルコニーへの空間。上部に足場が掛かっていますが、足場の上部がハイサイドライトです。ハイサイドライト下部のコンクリートに四角い穴が2箇所あることがわかるでしょうか?

これです。コンクリート打設時に仕込んであります。何のための穴かわかるでしょうか?

実はこれ、2階の床(コンクリートスラブ)を吊るためなんです。上記写真を見てわかる通り、階段ではなくコンクリート床が片持ちになっています。建物の間口が狭い空間なので柱を落とすと内部空間も狭くなってしまいます。それなら鉄骨柱を落とせば良いのでは?とも考えられますが、この空間は階段室です。柱を落とせないので吊りました。はい。。

吊材は約1.5cmの鉄の棒2箇所で吊ります。もちろん鉄の棒で吊らなくても構造的には何の問題も無いのですが、振動や荷重によって少し揺れる恐れがあるので吊っています。

上記2枚の写真は、外部の建具に採用するスチールサッシの枠材です。仕上の塗装などせずに溶融亜鉛メッキ仕上げです。一般的には外部使用で耐久性を持たせるために鉄のプレートに溶融亜鉛メッキ施した上で、お化粧に塗装を施しますが、今回はお化粧無しのそのまま溶融亜鉛メッキ仕上げです。 この仕上げはまだホヤホヤなので銀色でキラキラしていますが、数ヶ月でキラキラは落ちてライトグレー色になり、数年でグレーになります。本計画にはピッタリの仕上げです。

本計画はキッチンワークトップやダイニングテーブル、階段・ベンチ・デスクなどコンクリート製です。そのままの仕上げでも良いと思いますが、人の手の触れるところは左官屋さんで金ゴテで平滑に仕上げをして頂きました。

上記写真は玄関ポーチのインターホン・ポストです。もちろんコンクリート壁に埋込みでデザインしています。ステンレス製のプレートで仕上げますが、仕上げの詳細はのちほど、、

上記の写真は2階空間を繋ぐ階段・廊下の床材です。2階の動線(洗面・トイレ・浴室以外)は全て木のルーバー床です。材種は加工性が良くとても強度があるアガチスを採用しています。本計画はラワン合板型枠のコンクリート打放しと内部間仕切り壁の仕上げは同種のラワン合板仕上げです。ただルーバー床にラワン無垢材だと少し強度が落ちるので、強度がある同じ南洋材で表情がとても似たアガチスを採用しました。内部建具の枠材もアガチスです。

コンクリートの片持ち階段。

次回は内装について書いていきたいと思います。