POPO house/オーダーキッチン打合せ@モービリティーポ

今回はキッチンのお話しです。

デザイン提案時のキッチンプランをベースに打合せを進めます。家事動線に回遊性を持たせ、一筆書きのような連続したプランを提案させて頂いたところ、大変興味を持って頂きました。

日常時では建具を開放することによって空間一体となる連続した空間で、また完全引込み戸によって個室空間にもなるフレキシブルなプランニングです。

上記写真はリビングからのキッチンイメージ。

デザイン提案時の模型写真です。まだ具体的な素材は確定しておらず、お施主様へのヒヤリング後に製作した模型です。壁面側とペニンシュラ(半島形式)の2列配置のキッチンです。アイランド型(島形式)やペニンシュラ型(半島形式)のキッチンは、リビング・ダイニングと一体とした広がりのある空間を成立させる場合にはとても有効なキッチン形式です。

キッチンから洗面室・浴室へと連続する通路。シーンによって引込戸で空間を仕切ることができます。建具枠が壁と一体化しているので建具の存在を消しています。

上記の写真は、弊社に設計のご連絡を頂く前に、実際にお施主様がキッチンショールームで見て頂いた写真です。木の面材と大理石のカウンタートップの組合せがとても気に入られており、このような組合せでキッチンデザインを進めます。

ご要望をヒヤリングした後のキッチンデザイン。平面図ではわかりにくい、素材のバランス・色見、収納の扉や引出しのデザインを、縦方向の図面を(展開図)描いてイメージの擦り合わせをします。平面図と展開図を合わせてみると、奥行き感や縦方向の収納量などがわかります。

上記の絵は、平面的な図面を描いた後に立体的なスケッチを描きました。空間全体においてキッチンがどう見えるか、素材同士の違和感が無いか、またバランスはどうかなど、総合的に検討します。模型では伝わらいない局所的な部分をイメージ化します。

お施主様が気に入られていた大理石カウンターと木の面材とを組み合わせたキッチンのイメージパース。当初のデザイン提案模型とは少し変わってきました。お打合せを重ね、徐々に素材が決まっていくと空間全体のデザインがより具体化します。

上記写真は、オーダーキッチンのショールームで、使い勝手やカウンターの高さ、収納量、素材やキッチン照明など綿密に打合せを進めます。POPO houseで協力頂くのはモービリティーポの徳永さん。いつも的確に助言を頂きとても安心です。

モービリティーポのショールームにあった家具の天板に、POPO houseで採用予定の大理石がありました。この天然石はエンペラドールダークというスペイン南東部産の大理石です。主にホテルや美術館などのエントランスやロビーの床材や壁材に使われる大理石で、とてもキメ細かい茶褐色の中にゴールドやホワイトが蜘蛛の巣のスジのように張り巡らされた表情豊かで奥行き感のある大変綺麗な大理石です。

しかし、本来大理石は炭酸カルシウムが主成分なので水廻りには適していない素材です。長時間水にさらすと白く粉を吹いたような状態になってしまいます。水廻りに採用する場合は、上記写真のような半艶仕上(水磨き)ではなく、鏡面仕上げ(本磨き)をしたものを採用します。POPO houseでは、ペニンシュラ側にシンクがあるのでカウンタートップへのエンペラドールダークの採用は避け、別の素材を探すことにしました。

コンロ側のカウンターはエンペラドールダークを採用します。ペニンシュラ側にも一部エンペラドールダークを使ったデザインにしたいので要検討です。デザインの見直しをしつつ、後日、実物の確認に関ケ原石材ツアーを予定しています。