POPO house/カウンター材選定とガラス建具の選定@コンフォート
今回はペニンシュラ(半島形式)キッチン側のワークトップと洗面カウンターの選定です。キッチンコンロ側のワークトップは以前ブログで書きましたが、エンペラドールダークという天然石を採用します。反対側のペニンシュラ側はシンクがあり水廻りの為、吸水率が低く、硬度の高い別の素材を検討中です。
今回のショールームは白金台にあるコンフォート(※現在は大手町に移転)にお邪魔しました。コンフォートはカウンターのワークトップに使う石材やオーダードア、フローリング材など国内外の製品を扱うメーカーです。
まずはキッチンのカウンターの選定です。茶色い石材はコンロ側のカウンターに使うエンペラドールダークのサンプルです。それに合わせているのがクォーツストーンといって二酸化ケイ素の結晶であるクォーツ(石英)を90%以上含んだ人造石です。天然素材でありながら汚れや傷に強く、さらには吸水率が低く、硬度も高いため、水廻りや床・壁など様々な場所に使うことができます。ただし樹脂を含んでいるので火気使用室(※キッチンコンロ側の壁面)には採用ができませんが、それを除けばオールマイティーに使うことができる材料です。※日本における消防法の規定
上記の写真はクォーツストーンである、コンフォートが扱うシーザーストーン。濃い茶色の天然石と合わせるため明るく表情の優しいベージュ系の石材を選択。Shitake_シイタケという名前です。
窓際の明るい場所に移動し色・柄を再度確認。ワークトップの上部にオーバーカウンターとしてエンペラドールダークを使うのでバランスを確認中。サンプルの下に白い洗面カウンターがありますが、これもシーザーストーンです。表情も天然石に近く、とても高級感がありますね。
次は洗面カウンターのシーザーストーンを選定中。洗面室は北側であまり日が入らない場所なので、明るい白系を選定。ただ真っ白にしてしまうと空間に合わないため、少しくすみがあり、ほんのり石の斑が入ったものを採用します。上記の4011 Cloudburst Concrete_クラウドバーストコンクリートに決定。
コンフォートにはドア、ガラス間仕切り戸なども扱っています。POPO houseでは玄関とリビングダイニングの間でガラス引戸を検討しています。上記写真はRAIKI(ライキ)というガラス間仕切り戸。アルミフレームで上吊りのためとても軽いです。ガラスの種類やフレームカラーも豊富で、どのような空間にも合わせることができます。
上吊りレールの納まり。天井面に上吊りレールが設置されますので結構目立ちます。レールの存在をできるだけ消す為には、納まりにひと工夫必要そうです。
上記の写真のように、カラーガラスや和紙調のフィルムを貼ったもの、またフレームもとても細く繊細なディテールです。ガラスの代わりに大判タイルを設置することもできます。アルミフレームの溝幅(ガラスが入る部分)に納めることができれば、ある程度はオリジナルデザインが可能です。
POPO houseでは、ご主人が自宅でワークアウト(フィジカルトレーニング)をするためにガラス部分を鏡張りでデザインしています。室内が視覚的に広がりますのでインテリアデザインの方法としてはとても有効です。ただし一般的な鏡を採用してしまうと、鏡のキラキラが主張されてしまい空間の連続性が損なわれるので、トーンを落としてグレー色やブロンズ色の鏡をお勧めしました。
RAIKI(ライキ)での検討を進めていましたが、玄関側(鏡張りの裏側)はビニルシート張りやクロス貼り等の仕上げしかできなかった為、今回は断念しました。玄関側のデザインは玄関ドア開けたときに最初に目に入る重要なところなので、もう少し意匠性のあるデザインが必要です。
お施主様から高級感のある素材という希望もありましたので、こちらの建具も弊社のデザインで製作することになりました。玄関側は木目調ビニルシート等ではなく、天然木張りで高級感を持ちつつスッキリとしたシンプルなデザインを目指します。
上記の図面は、弊社が見積の為に作成した図面です。リビングダイニング側はグレーの鏡を採用しています。玄関側は特注の引手のデザインと合わせ、鏡張りとビニールレザーを合わせながら、天然木の突板仕上げとしています。突板仕上げ部分では、引手の下部に合わせて目地を入れることによって、さりげなく統一性のあるデザインとなっております。
上記の図面は弊社で作図した設計図をもとに、発注前に作図してもらい承認します。この図面は製作図といって、現場の状況を改めて採寸し、正確な寸法をもとに図面化します。今回ご協力頂いたアレスさんは建具工事と家具工事を担当しています。
こちらは完成後の玄関側のドアデザイン。天然木張りの面材の産地はアフリカで、サペリという広葉樹の木材です。特徴は赤みがあり木目が非常に綺麗で光沢のある木材です。建具や家具・楽器、主にギターなどの表板に多く採用されています。マホガニーととても似ていることから代用として扱われることが多いです。
こちらは完成後のリビングダイニングのドアデザイン。グレー色の鏡を採用しました。建具のフレームも極力細くして建具の印象を和らげています。見付面の厚みは12mm。RAIKIのアルミフレームと同じ厚みです。アルミやスチールを採用しなくとも、木のフレームでも見えがかりのデザインによって繊細に表現することができます。