POPO house/至極のエンペラドールダーク選びの旅。@関ケ原石材 @アントリーニギャラリー
今回はキッチンワークトップ及びゲスト用トイレに採用するエンペラドールダークの選定に、岐阜県の関ケ原石材本社・工場にやってきました。お施主様とポポちゃん、施工をお願いする一隆建築さんの塚原社長と担当の太田さん、弊社後藤さんと関で至極のエンペラドールダークを探します。
またイタリアの石材トップブランド、アントリーニギャラリーも本社内にあるのでこちらも見学させて頂きました。
※アントリーニギャラリーは撮影不可です。自然のアートを体感しとても勉強になりました。オンラインでアントリーニギャラリーを体感できますので、是非体感してみてください。
→アントリーニギャラリーはこちらからどうぞ<Online>Antolini Stone Gallery
工場内の様子。場内の広さは圧倒的です。
まだ加工される前の原石が保管されています。宝の山ですね。
手前から2番目のフルスラブ(切り出し後に成形・表面加工を施した状態。サイズは約3m×1.5m)ですがパタゴニアという花崗岩(御影石)です。大胆な表情の中にも抽象画のような繊細さを持つとても素敵な石です。
御影石というと墓石のイメージがありますが、パタゴニアの表情には圧倒されます。短時間で圧縮された物質と、時間を掛けて圧縮された物質のコントラストが絶妙です。
※ちなみにこちらは現在進行中のプロジェクトで採用予定です。
加工の様子。まさに切り出しの最中です。この塊からおおよそ2cm~3cmの厚みで切り出されます。
この大理石はカラカッタでしょうか。カラカッタにも沢山の種類があります。壁面仕上げやキッチンカウンターによく合いそうですね。
POPO houseで採用するエンペラドールダークのお目見えです。
POPO houseのキッチンワークトップで使用するスラブは2枚必要なので、異なる表情のスラブを3種類(計6枚)用意して頂きました。
1枚目。黒と白のコントラストが強く、細胞のような網目が目を引きますね。
このスラブとても綺麗ですが、茶色の物質が少ないので見送ります。
2枚目。茶色の物質も多く採用予定の柄にとても近いです。
しかし磨き前なのか少しくすんでいるような気がします。白濁が多いのでこちらも見送ります。
3枚目。大分イメージに近い模様です。白濁も少なく微細な網目模様もびっしり入っているので良いですね。
先の2枚より上品な印象です。こちらに採用決定。(個人的には1枚目も好き。)
縦横に走る網目の柄は堆積時に有機物が混入してできた柄だそうです。自然の力は圧倒的ですね。
採用するスラブが決まったらその場で仮板取りします。
マスキングテープを用いてカウンターに採用する想定の柄を可視化します。
平行に2本テープが貼られている部分は、カウンター天板と前垂れ(立ち下り)の部分です。
このように板取をすると平面と垂直面の柄が繋がります。2cmの板でも立体的な塊に見せることができます。
ということは、まるで塊から切り出したような厚みを持ったカウンターになります。
有機物の痕跡は脆く欠けが非常に多いです。この部分は樹脂等を用いて穴埋めをします。
板取り後の様子。このようにして2枚のスラブから板取りが出来ました。2枚のスラブ間に「ツナゲル」とありますが、これは同じ石材を2つに割いているので実は同じ柄です。左右対称にすることで柄が繋がるのです。これをブックマッチと言います。ですので今回は3種類のスラブのブックマッチで計6枚を用意していただきました。
最後はお施主様とポポちゃん、施工会社の一隆建築さんと弊社で記念撮影です。
(コロナ禍の為、マスク姿で失礼します。)
工場内には様々な天然石がありました。こちらはサハラノワール。とてもモードな印象でドレスやシャツの柄に採用しても面白そう。
こちらは蛇紋岩ですかね。水彩画や水の流れのようで綺麗な石です。
カラカッタチエロ?オロビコネーロ?水墨画のようで美しい。
ピアノフォルテ。ピカソのゲルニカみたい。大胆でスタイリッシュですね。
マウンテンバーニー。凄いですね! 地球の偉大さを感じます。石の中央の隆起しているところは断層ですかね。寄木細工みたいです。この色味、大型犬のバーニーズ・マウンテンの由来なのでしょうね。
場内をくまなく見学させて頂きました。最後にアントリーニギャラリーの一画のミーティングールームで最終打合せをしました。
なんとPOPO houseのオーバーカウンターの1/1スケールのサンプルを作成頂いておりました!
ありがとうございます!サンプルでもわかる通り、2cm厚の板材が柄の繋がる立体的な塊になっています。
とても綺麗ですね。イメージ通りです。
左側スラブ。事務所に戻り、関ケ原石材で採用したエンペラドールダークの写真をもとに、正確な板取図を作成しました。
右側スラブ。白抜きの部分はガスコンロが入る為、切り抜きます。
切り出したスラブをカウンターイメージとして可視化しました。このような経緯を経て発注・加工へと進みます。
完成後のキッチン。全体のインテリアデザインとエンペラドールダークのカウンターが良く合いますね。
完成後のキッチン。大理石でもデザインコントロールすることで、嫌みのないバランスの良い空間に仕上げられます。
ゲスト用トイレ。こちらのカウンターもエンペラドールダークです。
個室空間のデザインもバランスよくまとまりました。
エンペラドールダークで使わなかった一部分をポポちゃん用に少し分けてもらえないかとお願いしたところ、関ヶ原石材さんのご厚意で、ポポちゃんサイズにカットして一緒に送付してくださいました。
石材のひやっとした感触をポポちゃんも気に入ってくれたようで、夏の暑い時期にエンペラドールの上でくつろいでくれているようです。(ポポちゃんくつろぎ写真はお施主様から送っていただきました。)