KADO | 最初のデザイン提案

茶室のあるマンションリノベーション「KADO」。
リビングダイニングに面した一角にお茶室を設けたいというご要望から、お茶室の設計を担当される岩崎建築研究室の岩崎さんへお施主様がご相談された際に、以前 SOU でご一緒したご縁から「また一緒にプロジェクトをやりませんか」とご推薦いただいたことがきっかけで始まりました。岩崎さんとの再びのご縁に感謝です。

現地調査を経て既存の状況をしっかりと把握した上で、デザインとリノベーションプランの提案を行いました。調査をしたところ、マンションの構造が、鉄筋コンクリート壁式構造という、柱や梁ではなく、コンクリートの壁(耐力壁)と床で建物全体を箱型に構成する構造のため、各室の壁がコンクリートで作られた耐力壁となっており、大規模な間仕切り変更はできないことがわかりました。

コンクリート造のマンションという現代的な住まいの中に、和の佇まいをどのように取り込むか——その問いに対する私たちの考え方を、イメージパースや仕上げ材のサンプルをお持ちしてお打合せさせていただきました。
今回はその内容を簡単にご紹介します。

自由のないコンクリートの壁式構造のフレームを逆手にとり、コンクリートフレームの中にお茶室を挿入した提案です。お茶室は、緩やかにリビングダイニングにつながりながらも、既存のフレームの中に納めたことで、凛とした空間になります。
ダイニングとクローズドのキッチンの間には格子状の飾り棚を設け、お気に入りのものを飾りながら空間をゆるやかに仕切るエレメントとしています。

反対側から見ると、飾り棚越しにダイニングを通して窓へと視線が抜け、障子やコンクリート躯体の表情が空間にアクセントを加えています。和の素材と現代的なディテールが自然に共存する空間のイメージです。

この提案をたたき案として、お施主様と意見を交わしながら、設計がスタートしていきます。ご要望やご意見をひとつひとつ丁寧に受け取りながら、ふとしたご感想やご質問が計画のポイントにもなっていく——住まいのかたちを一緒につくっていく、その最初の一歩となる大切な場です。