POPO house/いよいよ着工です!

POPO house 着工しました。寝室や廊下・プライベートトイレの一部を除き、スケルトン状態からの工事です。工事部分は約80㎡程度で、工期は約4ヵ月程掛かります。

解体中の様子。寝室側からLDKを見ています。寝室とLDKの壁は遮音壁にすることと、壁の移動を伴うため壁を解体し作り直します。赤いラインが新たに造作する壁位置。(ラインより左側が寝室)

上記写真は着工前のリビング・ダイニング。クローズドのキッチンをオープンキッチンにリノベーションします。オープンキッチンにすることでリビング・ダイニングと一体となったおおらかな空間を目指します。

スラブ段差と既存配管の様子。スラブ段差がある場所は段差の境界部分に往々にして躯体(梁)があるので、コンクリートを削ったりすることは絶対にNGです。マンションリノベーションの場合、多々ある制約の中でいかに設備等をうまく納め、デザインに昇華していくことはとても重要なプロセスです。

上記写真は給水管です。湯水が一見してわかるように青と赤の給水管に分けられています。昔は鋼管などで配管しておりましたが、近年のほとんどは錆の発生しないポリエチレン管に切り替わっています。築年数が古い建物場合は、鋼管を採用していることが多いため、鋼管の場合は新規にポリエチレン管に変更することもあります。

数日後の解体後確認。現場は綺麗に整理されています。また新設の配管も設置されておりました。写真右側の緑色のポリエチレン管は床暖房用の配管です。

空調配管の確認風景。キッチン上部(天井内)には空調配管やレンジフード、換気扇など配管が密集するため、設計図と合わせて指さし確認を行います。天井中央から吊られているの黒いボックスはダイキンのココタスというエアコンで、洗面室ような小空間や、面積の大きい一体空間の補助エアコンとして採用しています。

上記の機械は空調設備です。エアコンというと住宅では一般的に壁掛け式のルームエアコンや、天井埋込式のエアコン(通称天カセ)がありますが、今回のPOPO houseでは壁や天井に機器ができるだけ露出しないように、吹出し口と機器がセパレートしているビルトイン方式(ダクト方式)を採用しました。吹出し口と機械とをダクトで接続しているので、機械自体は収納内やパントリー内などに設置することができるので、リビングなどに設置されるのは吹出し口のみでスッキリとしたデザインを実現できます。

上記写真は完成後の様子。2重天井の間に吹出し口が2箇所設置されているのがわかるでしょうか?グリルの色も特注色で、壁と同色で塗装しているのでとてもスッキリとした印象ですよね。この方式が必ずしも良いというわけではなく、設置条件や空間デザインによって壁掛け方式や天井埋込方式を使い分けています。POPO houseでは天井面を広く、スッキリとした天井デザインのため、ダクト方式を採用しています。

上記は墨出しの確認です。解体後、間仕切り壁の位置や家具の位置などを床や壁に線を引き可視化させます。お施主様にも同席して頂き、通路の幅などが問題ないかを一緒に確認していきます。このタイミングで壁位置や造作家具の大きさの変更の可能性もありますので、必ずお施主様には同席して頂き確認します。

今回工事を行わない既存の寝室とLDK側の床の境界です。この境界壁は遮音壁にするので、床下地の上に壁を作るのではなく、直にスラブ(コンクリート床)の上に壁を作ります。遮音壁の場合、木の下地の上に壁を作ると、音が壁から床へと伝搬し振動(音漏れ)するので、遮音壁は床スラブと天井スラブを下地として壁を造作します。遮音壁の内部構造については、次回のブログでご説明します。

既存利用するドア。寝室空間は既存のままですが、遮音壁を設置するために壁を作り直す関係で、ドアを外して保管します。ただ建具枠については既存利用ができないため。枠のみ製作することとなりました。

上記の写真ですが何に使用するでしょうか?

実はこれ、、巾木です。巾木は床と壁の取合い部分に設置することで壁の保護に採用されています。一般的には木製や樹脂製の板で高さは6cm程度です。お住まいのお部屋を確認すると必ずといってよいほど設置されています。ただ既製品を使っても芸が無いですし、デザイン的に優れた巾木ってあまりないんですよね。。巾木一つをとっても空間のデザインを左右する要素ですので、こちらも納め方について設計中は毎回議論になります。

POPO houseの壁仕上は左官仕上げ(塗り壁仕上げ)なので、取って付けたような巾木は採用しません。でも壁の保護は重要ですので巾木レスにもしません。できるだけシンプルに納めるのと、空間の仕上げの要素を最小限に抑えるため、工業製品のL型のアルミアングルを採用しました。アングルを床から1.5cm程度浮かして壁に設置することで、床と壁の縁を切り、経年による左官壁の隙間や拭き掃除等における壁の汚れ等を防止します。コーナー部分は1~2mm程度のR形状として足先の怪我防止対策をしています。アングルはアルミ色ですが、壁の左官色と同色で焼付塗装を施します。まずはモックアップ(原寸模型)を何種類か製作して頂き確認させて頂きました。

コロナ禍の工事ですので、玄関前には検温・消毒チェックのカードが置かれておりました。コロナ禍での予防策も徹底的で安心して工事を進められそうです。ありがとうございます。