RIFF house/配筋検査-1_1階床

基礎配筋検査前の床下断熱材の確認です。

床付けが終わり、基礎スラブ下の断熱材が敷かれています。途中の写真がありませんが、正確には床付け確認の後、砕石を60mm転圧し、防湿シート(ポリエチレンシート)を敷き込み、そのうえでポリスチレンフォーム断熱材を敷き込みます。断熱性能の高い3種bDを採用。厚みは40mmです。

いよいよ基礎の配筋検査です。意匠設計・構造設計・施工会社・鉄筋屋さんの4社で目視確認していきます。検査項目としましては、鉄筋の配置(ピッチ)、継ぎ手の長さ、定着の長さ、かぶり厚さ(鉄筋からコンクリートまでの距離がスペーサーなどで確保されているかどうか)また、開口部の補強筋の配置等の確認です。

基礎梁のピッチを確認しています。密に配筋されていますね。一般的に基礎のスラブは200mmピッチ程度ですが、梁や柱の場合は100mmピッチとより密に配筋されています。

上記の写真はコンクリート躯体と一体化したダイニングテーブルです。手に持っているスケールの白い部分が跳出しの寸法で約1.8mです。もともとオーダーキッチンで製作する予定でしたが、構造家の自邸ということもありベンチやデスクなどすべてコンクリートで設計しています。仕上などの要素を極限まで少なくして無垢な建築を目指しました。

コンクリートでテーブルなどを作る場合、特に跳出しの場合はそれなりの厚みが必要となります。片持ちのなので鉄筋も十分に入れなくてはなりません。必要な厚みでそのまま作るのも良いと思いますが、座った時に膝に干渉しないように、テーブル下部を船底形状として見付面をギリギリまで薄くしました。75mmととても薄いので軽やか印象になるかと思います。

給水・排水のスリーブもこのタイミングで設置します。

柱の配筋の様子。写真でもわかるようにとても扁平した柱ですね。この建物はラーメン構造なのですが空間内に柱や梁が極力出てこないように、壁の中に柱・梁を納めた薄肉ラーメン構造としています。一部梁型が空間内に出てくる箇所もありますが、他の仕上げとうまく組み合わせたディテールをデザインしています。

この模型写真を見てもらうと写真の中心に縦に伸びる壁があるのがわかりますが、この壁の中には2本の柱が入っています。柱を柱として見せるデザインもありますが、今回は建物の間口が4.5mと狭い為、躯体をできるだけ面としとた空間構成としています。スキップフロアの空間なので要素が多いと煩雑な印象になります。極力要素を削ぎ落した設計を心掛けました。

RIFF house/床付け確認

本日は床付け検査です。杭工事後、基礎スラブの底盤レベル部分まで土を掘削します。これを根切りといい、建物の基礎を地盤面下に埋めるために行う土工事です。

遺跡発掘調査のような写真ですが、土のレベルが外周部分と中心部分とで違うことがわかります。外周は基礎梁が周りますので中心部分より深くなっています。上記の写真が根切り底となります。こうして土のレベルを調整して床付け(基礎スラブの接地面)レベルをレーザー機器によって確認していきます。

以前、遣り方確認のブログでBM(ベンチマーク)の事を書きましたが、GL(グランドレベル)から根切底の距離が図面と合っているか確認をします。周囲4点と中央1点、土のレベルの違う部分も同様に測定していきます。根切底レベルが水平でないと、基礎スラブの厚みが一定でなくなり、基礎梁のサイズ・スラブの厚みが変わってしまいます。

上記の写真は、地鎮祭の時に神社から頂いた鎮め物です。建物の中央(位置的にはちょうどリビングの中心)に静かに埋めました。

RIFF Houseの敷地は高低差があり、地下駐車場をもつ敷地です。掘削した残土を敷地外に搬出する為に上記のような残土処分用を仮設を設置しております。滑り台の下にトラックが待機し残土を搬出します。使用しない場合は折畳みが可能となっています。

鋼管杭の杭頭が密に千鳥配置になっているのがわかりますが、本計画の建物は2階部分が約5m程跳ね出しており、この部分の重さを支える十分な耐力が必要となります。基礎が土中にめり込まないよう、またしっかりと支持地盤に力を伝えられるように設計しています。

模型を横から見た写真です。右側の跳ね出しの部分が良くわかります。直下の小さなヴォリュームとはスリット窓により完全に縁が切れており、コンクリートの建物にもかかわらず浮遊感があるのがわかります。

POPO house/現地調査からスタート

新しくマンションリノベーションのプロジェクトがスタートしました。
新築当時からお住いの築15年のマンションを、お子さんが独立されたタイミングでご夫婦とワンちゃんが一緒に住みやすい空間へ変更したいと考えるようになったとのことでご依頼をいただき、まずは現地調査に伺ってきました。

扇型が特徴の住戸で、リビングは角度がついた五角形の間取りです。そのため、リビング・ダイニングには南東から南西の光が入ってきます。なかなか家具の配置にしっくりこなくて悩んでいるとのことでした。

左手エントランスホールからクローズドのキッチン、その隣はダイニングです。(ペンダント照明が下がっているあたりです。この時はダイニングテーブルは移動してくださっていました)
クローズドのキッチンはいろんなものが隠せるのがよいところですが、ダイニングからのお食事の準備やお片づけをする時に行ったり来たりで移動距離が多くなってしまうのが難点です。

玄関からホールを見たところです。扇型間取りの根元部分になるため、ホールから各室へつながる廊下も角度が振られています。接続するお部屋のドアや収納の扉が一緒にたくさん目に入り、ホールとしてはちょっと落ち着かない印象を受けます。この辺りもデザインの組み替えをしてあげるとよいなと思いました。

一通り現在の状況を確認しつつ、実測調査をしたり、マンションの管理事務所からも既存図を見せてもらって、設備の配管系統を図面と現地で確認していきました。既存情報がしっかり残っておりましたので、かなりの精度で既存情報の整理ができそうです。4週間ほどいただき、次回はデザイン提案をさせていただくことになりました。

RIFF house/杭工事

本日より、杭工事が開始です。本杭工事に先駆けて行う試験杭の確認を現場で行いました。

構造形式(木造・コンクリート造・鉄骨造)や建物の重量、敷地の地盤状況によって最適な杭の工法を計画しています。杭はコンクリート杭や既成鋼管杭など工法は様々ですが、今回の工事では鋼管杭を採用しています。

敷地内に鋼管杭が搬入されています。事前にボーリング調査によって地盤調査を行い、支持層(安定地盤)の深さを確認しております。

支持地盤が浅い場合は表層改良や柱状改良で施工することが多いですが、支持地盤が深い位置にある場合は支持層まで確実に杭を打込み、その杭で基礎を支えます。回転しながら杭を打込むので、低騒音・低振動で都市部などの住宅密集地も最適な工法です。残土や産業廃棄物も少なくできます。

3~4mの鋼管を溶接しながら長さを延長し、支持地盤に打込みます。

アクロバティックな光景ですね。杭がスムーズに入らないようです。もともとこの敷地は道路から北側擁壁に向かって傾斜地であり、その後宅地造成より土地を切り開き現在のような地下駐車場を持った敷地になっています。表層部分は砂や砕石で締め固めているため、杭を何度か抜き差ししつつ、角度を変えながら少しづつ打込みます。

このようにして合計30本の杭を打込み、建物の基礎を支えます。

RIFF house/遣り方確認

建物を新築工事する際、地鎮祭を経て最初に行う工程が縄張り(地縄張り)というもので、敷地内における建物の配置を示す工事です。

ビニール紐などで建物基準となる外形ライン(正確には壁や柱などの建物の基準となる中心線)を可視化させて、施工会社、設計者立会いのもと図面通りの位置になっているか双方で確認作業を行います。

杭位置確認の様子。ピンクのリボンは建築物を支えるための杭を打込む印で、土中の支持地盤層まで杭を打込みます。

建物位置・通り芯(構造躯体などの基準芯)の確認作業。境界線から数センチでもずれると後々取返しのつかないことになるので、入念にチェックします。

BM(ベンチマーク)の設定。このBMを定めてそこから一定の高さをGL(グランドレベル)とします。一般的に道路のマンホールなど動かないものをBMとすることが多いのですが、計画敷地は道路と計画建屋の部分の高低差があるので、すでに完成している駐車場の躯体部分をBM=GL±0と定めています。このGLが各部分の高さの基準となります。